技能実習生受入企業の皆様にお願いしたいこと

令和4年2月28日
○ 技能実習生は、多くの場合、「日本で職業スキルを身に付けたい」、「家族の生活をより良いものにしたい」という夢を持って訪日しており、初めから失踪や犯罪をする
 つもりで訪日する技能実習生はいません。
○ このため、企業の皆様に、法令を遵守し、適切な労働条件を確保していただくことはもとより、これら技能実習生の思いに寄り添っていただくことで、多くの失踪等を防
 げるものと考えています。
○ しかしながら、企業の皆様に上記の取組をしていただいてもなお、高額な借金を背負って訪日した場合、「もっと稼げる仕事がある」という誘惑に駆られやすくなり、失
 踪や犯罪のリスクが高くなってしまいます。
○ このような失踪や犯罪は、技能実習生本人にとっても不幸なことですが、受入企業にとっても、指導や受入体制整備に要した時間・費用が無駄になるだけではなく、コン
 プライアンス上の問題にもなりかねません。
○ このため、技能実習生を受け入れている企業の皆様におかれましては、以下の確認を通じて、より適切なルートで技能実習生を受け入れていただくようお願いいたしま
 す。
【送出機関を選択する際に、受入企業の皆様にご確認いただきたい事項】
 確認1(技能実習生に対し)訪日に際して、高額な費用を支払っていないか
  《確認1の結果、「高額な費用を支払っている」ことが確認された場合》
   確認1-1(技能実習生に対し)訪日に際して具体的に「誰に」「いくら」「何の名目で」支払いをしているのか
   確認1-2(監理団体・送出機関に対し)どの程度の失踪者を出しているか
 確認2(監理団体・送出機関に対し)失踪を招かないために、どのような取組をしているか

【参考】送出機関を見極めるポイント

 突然電話で営業をしてくる送出機関、過剰な接待やキックバックを提案してくる送出機関などは、言うまでもなく信用できませんが、この他、以下のポイントも送出機関を見極める上で参考になるかもしれません。(あくまでも傾向です。)
 
○  求人条件について、受入企業に対して現実に即した提案や相談をしているか? 
 ー 職種や賃金水準によって人材確保の困難さは変わりますので、真剣に技能実習生と受入企業とのマッチングを考えている送出機関であれば、賃金水準や面接応募人数等に関
  して、現実に即した提案や相談があり得るものす。
   どんな職種でも、どんな業務でも、最低賃金でも、「大丈夫です!」という送出機関は気を付けた方がよいかもしれません。
○ 技能実習生の受入れに伴うリスクや起こり得る問題と、それに対する対策を説明しているか?
 ー 技能実習生の受入れに当たっては、失踪をはじめ、喧嘩、職場での人間関係の軋轢、日本語能力の不足、近所とのもめ事など、様々な問題が生じる可能性があります。こう
  したリスクや起こり得る問題を説明でき、それに対してどのような対策を講じているのかも併せて説明できる送出機関は、これまでもこうした問題に真摯に取り組んできた送
  出機関かもしれません。なお、送出機関との間で技能実習生が失踪した場合について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をする行為は法令で禁止されています。
○ 送り出す人材の日本語能力について、正確な情報を提供しているか?
 ー 技能実習生は、訪日前に6か月程度の日本語の訓練を受けますが、外国人にとって非常に難しい日本語を短期間で習得するのは、決して容易ではありません。このため、
  「N4程度の技能実習生を送出します!」と言い切る送出機関に対しては、より慎重な確認をした方がよいかもしれません。教育の質を見極める上では、日本人講師(特に有資
  格者)の有無、モンゴル人講師の日本語レベルも参考になります。
○ 訪日希望者から徴収している費用について、明確な説明ができるか?
 ー 訪日希望者から徴収している費用を質問しても、手数料の額を回答されます。実際には、これ以外にも、訓練費費、食費、寮費、制服代、謝礼金など、様々な名目で費用
  を徴収していますので、どういった名目で、総額でいくら負担させているのかを明確に説明できない送出機関は、本人に高額の負担をさせている可能性があります。
   また、ブローカー(場合によっては送出機関の営業職員)が送出機関の仲介料を本人から別途徴収している場合もあるので、送出機関の人材募集方法についても慎重に確認
  する必要があります。
○ 訪日希望者に対して、求人条件はもちろん、日本での生活に関する情報を正確に説明しているか?
 ー 人材を募集するために、訪日希望者に対して「いいこと」しか言わない送出機関もあります。日本での仕事や生活の大変さを理解しないまま訪日した場合、「聞いていた話
  と違う」ということになり、職場定着が困難になりますので、本人に対してどのような説明をしているのかを確認した方がよいかもしれません。