海外安全対策情報(令和2年第2四半期)

令和2年7月20日
1 社会・治安情勢
  (1)  一般治安情勢
     モンゴル警察庁が発表した統計資料によると、今期(令和2年4~6月)中の犯罪認知件数は5、943件(前年比76.6%)と減少しており、昨年から継続して減少傾向を示している。       

  (2) 政治的安定度・反政府勢力の動き
      ○ 6月24日に投開票が行われた国会大会議(定数:76)総選挙において、与党 (人民党)が62議席を獲得し、政権を維持した。
      ○ 与党が国政選挙で連勝した理由について、現地メディアは、フレルスフ首相が新 型コロナウイルス封じ込めが成功し、国民からの信任票を獲得したためと報じてい る。選挙結果に反発する野党の動きも限定的であることから、政治情勢は安定して いると考えられる。
 
  (3)  対日感情の変化
       情勢に変化は認めらず、現在も、モンゴル人一般の親日的な感情に変わりはない。
 
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
  (1)  犯罪種別内訳(出典:モンゴル警察庁統計資料)
 
   殺人 64件( 前年比 131.1%)
   強盗 85件( 同 40.3%)
   暴行・傷害 1、728件( 同 88.7%)
   窃盗 1、616件( 同 82.9%)
   スリ 92件( 統計データなし )
   詐欺 1.083件( 同 76.8%)
   強姦 107件( 同 85.6%)
   薬物犯罪 32件( 同 72.7%)

 (2)  特徴・傾向
  ○ 令和元年の犯罪認知件数は、モンゴル警察庁が統計を取り始めて以来の最多件 数を記録した平成30年と比較して大きく減少したものの、未だ3万件を超過し ているため、高止まりの状況が続いており予断は許さないと考えていた。
  ○ しかしながら、今期も昨年から引き続き減少傾向を維持し、罪種別件数につい ても、多数の罪種で前年と比較して10%以上減少していることから、今後もこ の傾向が継続する場合は、当地の治安情勢は改善していると評価することができ ると思われる。
  ○ ただし、モンゴルの人口は日本の概ね40分の1であり、当然のことながら、 犯罪認知件数も日本より大幅に少ないものの、ある国際統計情報データサイトの 公表データを分析した結果、モンゴルの殺人の一定人口当たりの発生件数(発生 率)は、概ね日本の26倍であることが判明している。今期の殺人事件の発生件 数は前年比131%と増加していることからも、当地の治安が改善したとしても、 日本とは基礎的な治安情勢が大きく異なっているという認識を持つ必要がある。
 
 (3)  邦人の犯罪被害発生状況
  把握なし。

3 テロ・爆弾事件発生状況
 今期中、モンゴル国内では、テロ・爆弾事件の発生はなかった。現時点で、国際テロ 組織の浸透や活動は確認されていない。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
 今期中、モンゴル国内で誘拐・脅迫事件の発生はなかった。
 
5 日本企業の安全に関わる諸問題
 把握なし。