在モンゴル日本大使館

Embassy of Japan in Mongolia

草の根・人間の安全保障資金協力

モンゴル視覚障害者協会点字機材整備計画

■プロジェクト概要
贈与契約調印日:

2021年3月12日

供与限度額:

91,898米ドル、10,108,780円

協会概要:

モンゴル視覚障害者協会は1978年に設立され、モンゴル全土の視覚障害者を対象に人権保護、教育、就労支援を目的に活動しており、9,000名の会員を擁している。ウランバートル市ハンオール区に本部があり各県に支部を持っている。本部の主な活動は2~5歳児のための幼稚園、就労のための専門教育工業センター、FMラジオ放送局、マッサージセンター、カフェショップ等の運営及び点字教科書印刷、点字翻訳等の事業実施である。

問題点:

同協会には3台の点字プリンター機材があったが、点字印刷物へのニーズが年々高まっているにも関わらず需要の半分以下しか印刷出来ないため、プリンターの増設が課題となっていた。更にこの3台のうち1台は故障し修理をしようとしたが、型落ち等により修理できず使用不可能になり、残る2台も導入から6年と11年が経過したため、老朽化により印刷速度が低下し十分な機能を果たせずにいた。モンゴル国内で同協会以外に点字印刷ができる機関はなく、国内で使用される視覚障害者のための全ての本、パンフレット、ガイドブック、教科書などの点字印刷物に不足が生じ、モンゴル国内の約16,800名の視覚障害者のうち1,200名は17歳以下であるため、特に教育へのアクセスが問題となっていた。また、同協会には文字情報を点字に変換して表示する点字ディスプレイがないため,印刷物の円滑な供給の妨げになっていた。

供与された機材(キーボード)

供与された機材(キーボード)

案件の概要:

本案件は、モンゴル視覚障害者協会の傘下組織(点字印刷センター、専門教育工業センター、情報教育センター、モンゴル国立教育大学内の学生開発センター)において、点字機材の整備を行うことを通じ、モンゴル全国の視覚障害者の教育の質の向上及び福祉環境改善に寄与した。案件の下でモンゴル視覚障害者協会に点字プリンター5台、点字プリンター用ソフトウェア5セット、点字ディスプレイ8台を供与した。

裨益効果:

モンゴル視覚障害者協会以外に点字印刷を行える機関はなく、同協会にて過去の約2倍の印刷が可能となり、モンゴル全国の約16,800名の視覚障害者が裨益した。

ザブハン県イフオール郡幼稚園改修計画

■プロジェクト概要
贈与契約調印日:

2021年3月22日

供与限度額:

214,762米ドル、23,623,820円

幼稚園概要:

ザブハン県イフオール郡幼稚園(国立)は1963年に設立された。現在職員32名(園長1名、教員16名、その他職員15名)、園児220名が在籍し、園舎は2013年竣工のA棟、1985年竣工のB、C棟からなる。今回改修の対象としたC棟は1階建て、コンクリート基礎、レンガ造、切妻屋根、定員50名、延べ床面積382.06㎡の建物である。

問題点:

C棟は竣工以来35年間一度も大規模な改修が行われず、2013年に行政監察局から使用禁止令が出たため使用されないままとなっていた。なお、2018年にも使用禁止令を継続するとの判断がなされたため、同幼稚園では入園を希望する児童のすべてを受け入れることができず、毎年50人程度の待機児童が発生していた。 建物の状態は、屋根に敷設している鉄板が錆びて穴が開き、雨漏りが発生していた。雨漏りと経年劣化によって内壁のモルタル及び漆喰塗装は剥落し、天井や内壁にカビが発生し、不衛生な環境となっていた。床は経年使用によって隙間や段差、波打ちが生じており、園児が転倒する危険があった。暖房配管とラジエーターは錆びて穴が開き、水漏れが発生しており、十分な暖かさを保つための環境整備ができておらず、冬季は室温が著しく低下するため園児の健康に悪影響を及ぼしていた。竣工当時に設計された換気システムが故障したため、悪臭を換気できない状況となっていた。更に電気系統はショートを起こし、照明の半分は使用できるものの、電気製品は全て使用できない状態であった。

改修した園舎の外観(正面)

改修した園舎の外観(正面)

案件の概要:

本案件はイフオール郡幼稚園C棟の屋根、外壁、内装、換気システム、電気系統、暖房システムなどを全面的に改修し、同幼稚園の施設環境を改善した。

裨益効果:

本案件の実施により、同幼稚園の教育環境が改善し、園児220名、教職員32名、及び改修後に受け入れ可能になる待機児童50名が直接裨益した。

ドルノド県ヘルレン郡地域診断治療センター改修計画

■プロジェクト概要
贈与契約調印日:

2019年12月13日

供与限度額:

85,909米ドル、9,449,990円

施設概要:

ドルノド県ヘルレン郡地域診断治療センターは1926年に設立された総合病院であり、モンゴル東部地域を管轄している。在籍する職員は 500名(医師100名,技師・看護師243名,その他職員157名)、年間外来患者数は平均約140,000名、入院患者数約11,000名である。改修対象の感染症病棟は1978年竣工の2階建ての建物であるが、老朽化による問題を抱えていた。

問題点:

同病棟は竣工以来内装の大規模改修が行われておらず、壁や天井の塗装やタイルが剥落し、床はあらゆる箇所で陥没し、一部の木製窓や扉も亀裂や隙間ができていた。また、電気系統の老朽化によって医療機器に支障が生じ、暖房システムは内部が詰まってしまい極寒期に室内の温度が上がらずにいた。さらに患者用ベッド、輸液ポンプ、酸素濃縮器が不足しているため、特に重病患者の受け入れ、治療に支障を来していた。

供与されたベッド

供与されたベッド

案件の概要:

本案件は、ヘルレン郡地域診断治療センター感染症病棟の内装、上下水道、電気系統及び暖房システムの改修を行うとともに、不足している医療機器を補充することによって同病棟の医療環境を改善し、地域医療の向上に寄与した。

裨益効果:

感染者病棟の年間外来患者約1,375名及び職員27名が直接裨益する。コロナ禍においては、モンゴル東部地域の新型コロナウイルス感染者の重症患者を一手に引き受けており、感染者の手術、出産なども担っているため、改修の意義はきわめて大きいと言える。

ウランバートル市ナライハ区第123番幼稚園増築計画

■プロジェクト概要
贈与契約調印日:

2020年1月20日

供与限度額:

81,456米ドル、8,960,160円

幼稚園概要:

ナライハ区第123番幼稚園は1957年に設立された。園舎は1957年に建設された定員75名、ブロック基礎、レンガ造り、切妻屋根、2階建て、延床面積680㎡の建物であり、210名の園児と22名の教職員が在籍している。

問題点:

申請当時、同園舎には定員75名に対して3倍程度の合計210名の園児が通っており、大幅に定員を超過していた。そのため、1クラスに50人以上もの子供が在籍し、安全や教育の面で適切な状態と言えず、また教員の負担も非常に大きかった。

増築した園舎の外観

増築した園舎の外観

案件の概要:

本案件はナライハ区第123番幼稚園において、定員25名の2クラスを増築し、同園の教育環境を改善した。

裨益効果:

本案件の実施により、同幼稚園の安全且つ衛生的な教育環境が改善し、園児210名、教職員24名が直接裨益した。

アルハンガイ県タリアト郡小中高等学校寄宿舎改修計画

■プロジェクト概要
贈与契約調印日:

2018年3月19日

供与限度額:

85,727米ドル、9,429,970円

施設概要:

アルハンガイ県タリアト郡小中高等学校は1924年に設立され、現在生徒780名と教職員78名が在籍する。改修の対象となる寄宿舎は1997年に竣工、延べ床面積876.1㎡であり、寄宿生151名及び教職員9名が居住していた。

問題点:

同寄宿舎は竣工以降大規模改修が行われておらず、寄宿舎の屋根は老朽化によって生じた亀裂・破損部分から雨漏りが発生していた。天井は雨漏りによるシミ・カビが生じ、塗料が剥落しているほか、壁は結露によるモルタルの剥落、経年劣化による漆喰の落下がある。また、換気システムは経年劣化による換気管内のゴミ等が原因で詰まっており、換気が十分に行われずカビ発生の原因となっていた。外壁には断熱材が設置されておらず、室温低下の一因となっていた。窓と窓台の間には隙間が生じており、窓は二重サッシではあるが、ガラスが割れた箇所が多く隙間風が吹き込んでいた。扉は変形し、開閉が困難であるほか、故障によって施錠できない箇所もあった。木製床は劣化し、木板が割れている箇所もあった。階段の手すりの木製部分が破損しているため、生徒達が触ると怪我をする恐れがあった。電気系統は雨漏り及び経年劣化により、故障しショートが多発するため危険であった。寄宿舎内にトイレがないため、冬季はマイナス40度を下回る中、屋外トイレを使用するため寄宿生が風邪を引く事例も散見された。更にボイラーが壊れているため、生徒達は温水シャワーを浴びることができず、冬季は冷たい水を使用せざるをえなかった。

改修した寄宿舎の外観

改修した寄宿舎の外観

案件の概要:

本案件は、アルハンガイ県タリアト郡小中高等学校の寄宿舎の屋根(換気口含む)、外壁、内装(天井、壁、窓・扉及び床等)、電気系統及び上下水道配管設置等の改修により、寄宿生他の厳しい生活環境が改善された。

裨益効果:

本案件実施により、同学校の寄宿生151名及び教職員9名が直接裨益した。