モンゴル政務週間動向(2011.1.4-2011.1.10)
1 内政
(1)大統領
ア 6日、エルベグドルジ大統領は、デムベレル国家大会議議長と会談し、スフバータル国家組織常任委員長(人民党)と会談し、国家大会議規則法改正(当館注:改正により報道機関に対する国家大会議常任委員会の審議経過が非公開にされた)に抗議する報道機関の共同声明問題について協議し、国家大会議の権限をもって問題を検討し、解決すべきとしたうえで、エルベグドルジ大統領は、同改正案に対して拒否権は行使しない旨述べた。(7日ZM)
イ 6日、ツァガーン大統領上級顧問及びネルグイ大統領府副長官らが、エルベグドルジ大統領の立案により作成された「鉱物資源探査ライセンス新規発行禁止法の実施期間を2011年7月15日まで延長する法案」をデムベレル国家大会議議長に提出した。(7日MM)
(2)首相・内閣
ア モンゴル政府は、2月に「共に発展する」と題する第2回モンゴル・経済フォーラムを開催する予定。同フォーラムには、政治家、経済関係者及び有識者が参加し、人材育成、開発政策、ガバナンス、インフラ整備、競争力向上といったテーマで協議する予定。
イ ザンダンシャタル外交・貿易大臣は、モンゴル国外交基本方針改定に関する国家大会議決議案をデムベレル国家大会議議長に提出した。同方針の改定は、モンゴル国内外の情勢の変化により国家安全保障基本方針が改訂されたことを受け、右安全保障基本方針に適合する形で外交方針も改訂する必要が出たことによる。(11日MT)
(3)定例閣議
特段の動きなし。
(4)国家大会議
ア 改正国家大会議規則法の報道の自由を侵害する条項に関して国家大会議担当記者団から声明を発出し、大統領に対して拒否権の行使を要求した。これに対して、大統領側は検討する旨回答した。(5日UN)
イ 6日、デムベレル国家大会議議長は議長令を発出し、改正国家大会議規則法の施行に関する報道機関からの声明を検討する作業部会の設置を命令した。同作業部会の部会長は、スフバータル国家組織常任委員長(人民党)が務める。(11日MT)
ウ 10日、国家大会議規則法検討の作業部会が開催され、検討が行われた結果、常任委員会の審議経過を報道機関に対して公開することで合意し、国家大会議規則法改正案(当館注:再改正)国家大会議議長に提出した。同改正案は、国家組織常任委員会の審議に移される。(11日US)
(5)その他
ア 1日から外国人・国籍管理庁に支払われるビザの延期及び発給などの手数料が値上げされた。また、30種類の手数料が新たに加わった。(5日UN)
イ 道路・運輸・建設・都市計画省による記者会見が行われ、ドルノゴビ県サインシャンド市とドルノド県チョイバルサン市を結ぶ全長1100㎞の新鉄道敷設ルートが最終的に発表された。今後は、鉄道建設のためのF/Sが行われる予定であり、本格的な敷設事業は今年の春から開始され、2年6ヶ月から3年の間に敷設される予定。(5日MT)
ウ 4日、人民党は、ゾリクト鉱物資源・エネルギー大臣罷免要求について検討を行い、ゾリクト大臣を罷免する必要なしと判断を下した。(5日ZM)
エ モンゴルで新たに設立される開発銀行(資本金167億トグログ)の運営チーム選定のため、国際公開入札を実施した結果、韓国の開発銀行「KDB」から8名のチームが来「モ」する予定。(6日AE)
オ 6日、民主党が記者会見を行い、アルタンホヤグ党首(第一副首相)は、「モンゴル人2020」プロジェクトについて報告した。「モンゴル人2020」プロジェクトは、「人々が自由で、健全且つ教養のある人間となり、雇用及び収入の安定した環境を作る」ことを目標としている。2011年に、民主党内で、全国的に議論をした後に同プロジェクトを可決する。(7日UGS)
2 外交
(1)外交一般
ア 4日、バトフー国家大会議副議長(民主党)は、余洪耀駐モンゴル中国大使の任期満了に当たり、同大使と会談した。会談では、両国のこれまでの協力の成果及び今後の協力方針について意見交換した。(5日ZM)
イ 6日、ラムバー保健大臣は、任期満了に伴い帰国する余洪耀駐モンゴル中国大使と会談し、モンゴル保健省及び在モンゴル中国大使館とのこれまでの協力について懇談した。(7日MM)
ウ 10日、アルタンホヤグ第一副首相は、新たに着任したKoraly Givers世界銀行モンゴル常駐代表と会談し、これまでの協力及び今後の協力案件等につき意見交換した。(11日MT)
(2)要人往来
ア クウェートを訪問中のバトボルド首相は、4日、シェイク・ナセル首相と会談を行った。会談の際、石油に関する両国の協力について意見交換が行われ、モンゴルへの石油輸入に関する問題解決の加速化、最初の段階として100万トンの石油をクウェートからモンゴルへ輸出することの可能性について意見交換がなされた。また、両国の間に行動計画の署名がなされた。会談後、両国は獣医、家畜検疫分野での留学生交換に関する協定に署名した。(6日UN)
イ 5日、玄葉国家戦略担当大臣は、エルベグドルジ大統領と会談を行った。玄葉大臣は、国家戦略担当大臣就任後初の外遊先としてモンゴルを選択したことを述べ、昨年11月に発出された共同声明の具体化を目指している旨述べた。これに対して、エルベグドルジ大統領は、昨年11月の公式訪日の際、天皇皇后両陛下、国家及び菅総理から温かい歓迎を受けたことについて謝意を表し、モンゴル・日本双方の関係を「戦略的パートナーシップ」へ発展させることを目指す共同声明を発出したことは、両国の交流・協力において特筆すべきことである旨述べた。双方は、今後、鉱物資源(ウラン、レアアース等)及び技術分野での協力、EPAの締結について意見交換した。(6日NT)
ウ ザンダンシャタル外交・貿易大臣は、玄葉国家戦略担当大臣のモンゴル訪問についてテレビ朝日のインタビューに応じた。(7日UN)
エ 6日、バトボルド首相のクウェート訪問に随行しているボロル外交・貿易副大臣は、Haled Al Jarallaクウェート外務副大臣と会談し、両国間協力について意見交換した。(7日NT)
オ 7日、クウェートを訪問中のバトボルド首相は、同日の在クウェート・モンゴル大使館開設の記念式典に参加した。式典中、バトボルド首相は、「湾岸諸国との交流・協力の発展促進のために在クウェート・モンゴル大使館は重要な役割を果たす」旨述べた。(7日ZM)
カ 7日、クウェートを訪問中のバトボルド首相は、モンゴル・クウェート投資・ビジネス・フォーラムに参加し、モンゴルと湾岸諸国との互恵的な貿易・経済関係を発展させていきたい旨表明した。同ビジネス・フォーラムには、湾岸諸国で活躍する企業20社の代表らも参加した。(7日MM)
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、MTR=人民党中央機関紙モンゴリーン・ウネン、USH=ウンデスニー・ショーダン紙、MT=モンツァメ・メデー紙、NT=ニーグミィーン・トリ紙、UGS=ウグリョーニー・ソニン紙】