モンゴル政務週間動向(2010.03.29-04.04)
1 内政
(1)大統領
ア 29日、エルベグドルジ大統領の発案による「地震の危険性・災害対策」と題する公聴会が開かれ、関係者らがスピーチを行った。「エ」大統領は「専門家らによればウランバートル市の建物の7割が震度7の地震に耐えられないという。これは非常に危険な状況であり、我々は今後災害対策に傾注するとともに救出隊等に対し災害時に必要な機材・器具の調達等を図るべき。市民全体の地震に対する備えが重要である」と述べた。(30日USH)
イ エルベグドルジ大統領は国民が体育を通じて心身共に健康になること、また世界で活躍する選手を育成することを主な目的とした「国民体育普及令」を発令した。4月、同令に沿って、モンゴルの国民全員を対象とした一般身体検査が行われることになった。(31日MM)
(2)首相、内閣
ア 29日、バトボルド首相はJ・Divan世銀金融・民間企業開発局副局長を団長とする一行と会談した。「バ」首相は、モンゴルにおいて、現在、課題となっている雪害、ウランバートル市の住宅建設及び教育改革等の問題の解決において世銀との協力の重要性について述べた。(30日NT)
イ 4月2日、バトボルド首相が民間セクターの代表らと会談し、オヨー・トルゴイ鉱山、タバン・トルゴイ炭田開発など大型事業の政府対策の実施状況について報告した。「バ」首相は民間セクターの代表らに対して政府による取り組みへの積極的参加と協力について要請し、意見交換した。(4月5日MT)
(3)定例閣議(31日開催)
ア 31日、定例閣議が開催され、次の議案などにつき審議し、オヨー・トルゴイ投資契約の審議・同契約の発効、「煙のないウランバートル」国家計画の承認に関する国家大会議決議案の国家大会議への提出、大気法の改正法案及び関連法律の追加と改正、大気汚染料金に関する法案及び関連するその他の法の改正案の国家大会議への提出、鉄道輸送に関する国家政策の承認に関する国家大会議決議案等を決定した。(4月1日MT)
イ 4月1日、臨時閣議が開催された。臨時閣議は、ムンフバヤル・ウランバートル市長に、オヨー・トルゴイ鉱床におけるモンゴル人雇用創出の増加を目的とした「オヨー・トルゴイ」社との契約締結、実施の任務を課した。(4月2日US)
ウ 4月2日、臨時閣議が開催され、次の議案につき審議し、決定した。2010年~2012年に国民一人あたりに150万トグログを年金、健康保険料、住宅バウチャーまたは現金で供与することに決定した。またタバン・トルゴイ鉱床開発に関する議題について審議し、同鉱床への投資家との協議及び契約案を策定する作業部会の構成を変更した。(4月5日US)
(4)国家大会議
ア 29日、国家大会議の人民革命党及び民主党の院内会派がそれぞれ開催された。人民革命党の院内会派では、議員ら(人民革命党)の選挙区への出張結果及び時事的な問題について審議した。民主党の院内会派では、市民の生活状況や越冬状況に関連する諸問題の解決方法、これに対する政府及び国家大会議の適切な施策などについて審議した。また、民主党院内会派は4月1日に臨時会合を行うこととし、同会合で首相及び閣僚による報告を受ける予定。(30日MT)
イ 30日、国家大会議の法務常任委員会と安全保障・外交政策常任委員会がそれぞれ開催された。法務常任委員会では、「警察組織法」の改正法案について審議し、本会議で審議することとなった。安全保障・外交政策常任委員会は、モンゴル政府とドイツ政府間の「住宅市場開発プロジェクト」のローン及び融資の承認に関する法案の審議の可否について協議し、審議することが妥当として国家大会議に提出することとした。(31日AE)
ウ 31日、ルンデージャンツァン人民革命党院内会派会長がJonathan Addleton在モンゴル米国大使と会談した。「ル」会長は「アメリカは我が国に対して小麦供与等を実施した。モンゴルはイラクでの平和維持活動に参加しており、また米国のミレニアム・チャレンジ・アカウントと協力する等、両国の協力がますます拡大していることに対して満足している」と述べた。同大使は、観光分野、工業分野開発による経済の多様化がモンゴルの今後の発展において重要であると発言した。(4月1日AE)
エ 4月1日、国家大会議の人民革命党及び民主党の院内会派会合がそれぞれ開催された。人民革命党院内会派会合では(ⅰ)150万トグログの選挙公約の実施に関する対策(ⅱ)「煙のないウランバートル」計画(ⅲ)タバン・トルゴイ戦略鉱床開発に関する姿勢(ⅳ)鉄道に対する国家政策等政府が国家大会議に提出する4つの議題について報告した。民主党院内会派にはバトボルド首相が出席し、タバン・トルゴイ戦略鉱床開発と鉄道に対する政府の政策について報告した。(4月2日AE)
オ 26日、デムベレル国家大会議議長の命令により、2010年度春期国家大会議での審議予定法案の優先順位が策定された。優先度の高い法案には2010年度国家予算法改正案、「タバン・トルゴイ」石炭鉱床開発投資契約案、国家大会議総選挙法及び地方選挙法改正案などが含まれる。(4月2日USH)
カ 4月1日、国家大会議議員のダムバオチルら3名が「行政機関の管理と予算に関する法律」の改正案をデムベレル国家大会議議長に提出した。
同日、ガンディ社会福祉・労働大臣が「労働力の輸出及び外国からの労働力・専門家受け入れに関する法案」及び「商標・地名表示法案」をデムベレル国家大会議議長に提出した。(4月2日MT)
(5)その他
ア 27日、病気治療のため渡米していたバヤル人民革命党党首が治療を終えモンゴルに帰国。(30日UN)
イ 民主化勢力連盟の経済・対外政策評議会は4月9日から自由貿易協定、物価、国内企業支援といった問題を巡って全国規模の協議会を段階的に開催することを決定した。(31日MM)
ウ 2日、人民革命党幹部会議が開かれ、人民革命党の総会を4月8日に行うよう決定した。(4月5日US)
エ 「公約実現要求市民運動」は4月5日に国民一人あたりに100~150万トグログを還元するとの公約の実現を要求するデモ行進を行う予定。(31日AE)
オ 4日、ムンフバヤル・ウランバートル市長とKit Marshall「オヨー・トルゴイ」社社長との間で、ウランバートル市の労働促進に関する3年間の契約の署名式が行われた。(4月5日UN)
2 外交
(1)一般
ア 29日、日本の無償資金協力(3600万米ドル)で実施される高架橋建設計画「太陽橋」の起工式がバトトルガ道路・運輸・建設都市計画大臣、城所卓雄駐モンゴル特命全権大使、ムンフバヤル・ウランバートル市長、石田幸男JICA所長らの出席のもと行われた。同高架橋は長さ895メートル、幅19.5メートルで両側に幅それぞれ1.5メートルの歩道が併設される予定。(30日UN)
イ 29日、第3回モンゴル、インド国防省間評議会が国防省において行われた。同評議会では両国の国防分野での協力関係の現状、成果、今後の方針について意見交換が行われた。(30日その他)
(2)要人往来
ア 27日から30日にかけて、ボルド国防大臣を団長とする一行がベルギー王国を実務訪問した。訪問では、デクレム・ベルギー王国国防大臣と会談し、両国の防衛分野での協力関係及び国際軍事合同演習の組織などについて意見交換を行った。(4月2日AE)
イ セルゲイ・ミロノフ・ロシア連邦院(上院)議長の招待により、Dザグドジャブ国家大会議モンゴル・ロシア議員連盟副会長をトップとする一行が3月29日から4月2日の間ロシアを訪問した。(4月5日US)
ウ 3日からL・ボルド国防大臣を団長とする国防省及び参謀本部の代表らが3日からアフガニスタンを訪問し、アフガニスタンでの平和維持活動におけるモンゴル軍を視察した。(4月6日AE)
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン、USH=ウンデスニー・ショーダン紙、MT=モンツァメ・メデー紙、NT=ニーグミィーン・トリ紙、UGS=ウグリョーニー・ソニン紙】