モンゴル政務週間動向(2009.05.04-05.10)
1.内政
(1)大統領
(イ)エンフバヤル大統領は、ザブハン県、ホブド県、オブス県等を訪問し、地域住民らとの集会を行っている。5月8日から東部地域を視察する予定。(5日UN)
(2)首相、内閣
(イ)5月4日、ラムバー保健大臣は、豚インフルエンザの予防対策の現状視察のため国立感染症センターを訪問。(5日US)
(ロ)バヤル首相は、テレビのインタビュー番組で、「大統領選挙宣伝中にエルベグドルジ候補(民主党)が、IMFがモンゴルに実施する融資プログラムについて批判的な発言をしていることは、モンゴルの国益や外交政策に反する無責任な発言であり、首相として大変遺憾である。」との発言を行った。(4日UN)
(ハ)5月6日、バヤル首相はフブスグル県ムルン市を視察する。ムルン市役所、ムルン市総合病院、商業センター施設等の視察を予定している他、先般、同市内において三つ子が誕生した家庭を訪問する。(5日US)
(3)定例閣議(5日開催)
(イ)5月5日、定例閣議により次の議題等が審議された。
(a)モンゴルとアラビア経済発展クウェート基金との間に締結する「オニト-ムルン方面の道路敷設プロジェクト」の融資契約案を原則的に支持し、国家大会議に提出することとした。同基金ではこれまでダルハン-エルデネト間、エルデネト-ボルガン-オニト間等の道路敷設プロジェクトが成功裏に実施されている。
(b)シベー・オボー鉱床に依拠した炭鉱及び火力発電所施設の建設に関する問題について審議し、同問題に対応する作業部会設置の首相令が発出されることとなった。
(c)放射性鉱物及び原子力エネルギー利用に関する国家政策及びその実施計画案が審議され、国家大会議に提出されることとなった。(6日AE、US)
(ロ)5月8日、臨時閣議が開催され、次の議題等について審議した。
(a)モンゴル国政府と米国政府の間で締結したミレニアム・チャレンジ契約をもとに、ミレニアム・チャレンジ・コーポレーションへ提案するプロジェクトについて審議した。
(b)牧畜民世帯の支援を目的とした個人所得税免除に関連する法律改正法案を審議し、原則、支持した。
(c)新型インフルエンザ(A型H1N1)の感染拡大の予防のため、予防薬品、医療機器、消毒剤等の購入費用を政府予備費から拠出することとした。(11日US)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
(a)5月4日、人民革命党院内会派は、牧畜民に対する政策及び競争法案につき協議し、早急に本会議で審議すべきとした。(5日ZM)
(b)5月5日、民主党院内会派は、水域及び森林地域での鉱物資源の探査、採掘の禁止に関する法律案及び右に係る鉱物資源法改正法案、保険法改正法案等について関連する常任委員会で審議することが妥当であるとした。但し、国家予算法改正法案については、詳細な協議を要するとして、審議を延期した。オヨートルゴイ鉱床開発投資契約案に関しては、6回に及ぶ協議を経て、同党からの意見書を作業部会に提出しており、今後その意見が取り纏められ次第、審議を行う用意がある、としている。(6日UN)
(ロ)常任委員会
(a)5月7日、自然環境・食糧・農牧業常任委員会で、水域及び森林地域での鉱物資源の探査、採掘の禁止に関する法律案及び右に係る鉱物資源法改正法案が審議された。(8日UN)
(ハ)本会議
(a)5月7日、運輸法の改正法案が第1回審議で可決された。これにより、2012年からガス及び電気を利用する公共交通車輌が運行されることとなる。(8日US)
(ニ)大統領選挙
(a)エルベグドルジ候補(国家大会議議員、民主党)は、5月1日~4日、セレンゲ県を訪れ、選挙宣伝活動を行った。引き続き、ゴビアルタイ県、ザブハン県、バヤンホンゴル県等の西部地域訪問を予定している。(5日UN)
(b)「イメージ」調査センターが行った世論調査によると、エンフバヤル候補(現大統領、人民革命党)の支持率は45.5%、エルベグドルジ候補(国家大会議議員、民主党)の支持率は32.9%との結果が出た。同調査はウランバートル市及び地方の合計8500名を対象に行われた。(7日US)
(5)その他
(イ)5月4日の時点で、国内での手足口病の感染が確認されたモンゴル人は71名にのぼる。このうち、ウランバートル市における感染者数は39名となる。(5日ZM)
2.外交
(1)一般
(イ)欧州諸国におけるモンゴル大使館及び領事部を対象とした第1回評議会がベルギーのブリュッセル市で開催された。同評議会では欧州連合加盟国の移住政策、欧州諸国におけるモンゴル人の法的地位等について情報交換、意見交換等が行われた。(11日UN)
(2)要人往来
特段の動きなし。
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン、USH=ウンデスニー・ショーダン、MT=モンツァメ紙】