モンゴル政務週間動向(2009.04.27-05.03)
1.内政
(1)大統領
(イ)エンフバヤル大統領はゴビアルタイ県、バヤンホンゴル県を訪問し、地域住民と集会した。(28日ZM)
(2)首相、内閣
(イ)4月30日、バヤル首相は、「第3次農業復興計画」の推進状況視察のためセレンゲ県を訪問した。(1日AE)
(3)閣議
(イ)4月27日、臨時閣議が開催され、米国ミレニアム挑戦基金の1億8830万ドルの融資によるプロジェクトについて協議された。同会議では、鉱業、地質及び医療分野の米国における研修実施プロジェクト、大気汚染削減、乳製品・精肉加工用農場の建設等の14のプロジェクト案が紹介された。(28日USH)
(ロ)4月29日、定例閣議が開催され、次の議題等が審議された。(a)2009年~2012年の間のモンゴルへの移民受入れ数を年間100名以内とすることを決定し、国家大会議に上程することとなった。(b)牧畜民がカシミア原毛及び皮革製品を輸出する際に必要な手続きの軽減のため、2009年末まで常設関税機関ではなく臨時関税機関での手続きによって輸出を可能とすることを決定した。(c)全国の小学生向けの教科書の40~100%、中学生向けの教科書の40%までを政府が負担することを決定した。(d)インドネシアで開催される平和維持を目的とする国際軍事演習「ガルダ・バンバイ2009」にモンゴル国軍から47名を派遣することを決定した。同演習にはアジア・太平洋諸国が参加する予定。(30日US、UN)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
(a)4月29日、人民革命党院内会派会議が開催され、小麦粉輸入税優遇政策を継続することで合意した。(30日ZM)
(b)4月27日、民主党院内会派会議が開催され、輸入製品の関税に関する国家大会議決議の改正案について協議され、バダムジョナイ農牧業・食糧・軽工業大臣から小麦及び小麦粉の関税を5%から15%とする案について紹介された。同件について作業部会を設置し、早期に決定をすることで合意した。また、牧畜民に関する国家政策について、原則、支持することとした。「競争法」の法案を審議することで意見が一致した。(28日US)
(ロ)常任委員会
(a)4月29日、経済常任委員会で「競争法」法案について審議され、全会一致で同法案を審議することが決定された。(30日ZM)
(ハ)本会議
(a)4月30日、兵役義務の免除額の変更について、第1回審議にて可決された。また、国家大会議議員及び国家大会議所轄機関の幹部職員らを対象とした倫理規則の最終審議が行われた。その結果、国家大会議所轄機関の幹部職員らに対しては同規則の対象外とし、国家大会議議員に適用することで可決された。同規則は可決日から有効となる。(1日TR)
(b)5月1日、「大使館、領事館及び国際機関駐在事務所に付与した土地を特別用地とする国家大会議議決案」が第1回審議により可決された。(4日各紙)
(ニ)大統領選挙
(a)4月27日、エルベグドルジ候補は、ドルノゴビ県を訪問した。(28日AE)
(b)サント・マラル基金は、4月15日~26月にかけてウランバートル市と地方5県の1240人を対象に実施した世論調査の結果を発表した。「明日、大統領選挙の投票が行われるとしたら、どの候補者に投票するか。」との設問に対し、(ⅰ)エンフバヤル(36.2%)、(ⅱ)エルベグドルジ(37.0%)との結果が出た。また、「モンゴル国にとって重要な役割を果たす政治家は?」との設問に対し、(ⅰ)エルベグドルジ国家大会議議員(民主党)(40.7%)、(ⅱ)バヤル首相(人民革命党)(38.3%)、(ⅲ)エンフバヤル大統領(人民革命党)(37.5%)、(ⅳ)バトウール国家大会議議員(民主党)(13.8%)、(ⅴ)バガバンディ前大統領(人民革命党)(10.9%)との結果が、「明日選挙があったらどこの党に投票するか」との設問では、人民革命党29.4%(首都:29.2%、地方:29.4%)、民主党33.3%(首都:29.2%、地方:35.5%)、との結果が出た。(30日US)
(5)その他
(イ)4月27日、S.ガンバータル生産者連盟会長らがデムベレル国家大会議議長を表敬し、オヨー・トルゴイ鉱床投資契約案に対する同連盟の分析・評価をまとめた提案書を手交した。(28日US)
(ロ)4月28日、M.エンフボルド副首相を長とする国家非常事態委員会が開催され、豚インフルエンザ感染拡大予防の対策について協議された。また、保健省、国立感染症センター等の関係機関の長に対し、対応策の強化等が課せられた。(30日UN)
(ハ)4月29日、国家社会保険局局長当時の汚職のため6年の禁固刑が課せられたS.エルデネ民主党ウランバートル市支部長の事件に対し、首都裁判所によって追加捜査が決定された。また、健康状態の悪化を理由に同氏は同29日、保釈された。(29日、30日AE)
2.外交
(1)一般
特段の動きなし。
(2)要人往来
(イ)4月22日~23日、ガンスフ自然環境・観光大臣がクウェートを訪問した。同訪問の際、モンゴルにおけるクウェート・モンゴル研究センターの設立、クウェートにおけるモンゴル大使館の開設等につき意見交換した。(28日USH)
(ロ)4月27日~30日の間、ボルド国防大臣はトルコを訪問。ベジディ・ギョニュル・トルコ国防大臣らと両国の国防分野での協力の拡大、平和維持活動への協力、軍事合同演習について意見交換を行った。(5日UN)
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン、USH=ウンデスニー・ショーダン、MT=モンツァメ紙】