モンゴル政務週間動向(2008.05.12-05.18)
1.内政
(1)大統領
(イ)エンフバヤル大統領はイスラエルを訪問し、13日、ペレス・イスラエル大統領と、14日、オルメルト・イスラエル首相とそれぞれ会談した。(14日UN、15日UN)
(ロ)エンフバヤル大統領は、イスラエルで開催された「大統領:未来について」国際会議に参加。クロアチア国大統領、スロベニア国大統領とそれぞれ会談した。(16日AE、US、大統領府プレスリリース)
(ハ)16日、エンフバヤル大統領はロシアを非公式に訪問し、メドヴェージェフ・ロシア大統領と会談。メドヴェージェフ・ロシア大統領はエンフバヤル大統領に、モンゴルでのロシア語及びロシア文学の普及に多大な貢献をしたとして、「プーシキン記念メダル」を授与した。(19日MM、大統領府プレスリリース)
(2)首相、内閣
(イ)四川省大地震被災への救援措置として、中国に5万ドルの義捐金を贈ることが閣議決定された。(15日AE)
(ロ)16日、バヤル首相は、余洪耀・在モンゴル中国大使と会談し、四川省大地震の被災に対するお見舞いの意を表すとともに、モンゴル政府からの義捐金を手交した。(19日MM)
(ハ)シーレグダムバ自然環境大臣は、セレンゲ県を視察し、同県における森林保護と不法な森林伐採の防止のため、製造業者によるシラカバの利用を一年間禁止することとした。また、鉱物資源法で定められた環境保護及び生態系回復の義務を履行していないとして、同県で金鉱採掘を行っている「Z・U・B」社に活動停止を命じた。(19日MM)
(3)定例閣議(14日開催)
(イ)12日、臨時閣議が開催され、手足口病の感染拡大防止、医療品の補充及び国立感染症研究センターの緊急医療設備等に要する費用として3億580万トグログを支出することが決定された。(13日各紙)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
(a)ロシア企業「ロスネフト」社のガソリンスタンド建設要求に係る問題を検討するための作業部会が発足し、ムンフオルギル法務・内務大臣が部会長に任命された。(13日UN)
(b)16日、国家非常事態委員会が開催され、バトセレーデネ保健大臣から乳幼児を中心に流行している手足口病の感染状況について報告された。同報告によると、16日時点の手足口病の国内感染者の数は671人にのぼり、内151人はウランバートル市以外の11の県で確認されている。(19日US)
(ロ)常任委員会
(a)経済常任委員会は「土地私有化法改正法案」を協議し、同法の施行期限を5年(2013年まで)延長することにつき決議し、本会議に提出した。(15日TR)
(ハ)本会議
(a)14日、ルンデージャンツァン国家大会議議長により、国家大会議議員総選挙が告示された。投票日は6月29日となる。(15日各紙)
(b)15日、本会議でガンホヤグ食糧・農牧業大臣の罷免問題について審議され、過半数の支持により同大臣を罷免しないことが決定した。(16日各紙)
(c)15日、本会議で国家大会議議員総選挙の費用について協議され、72億トグログが支出されることとなった。これは予算計上額(28億トグログ)を大幅に上回るものとなっており、選挙管理委員会はこの費用アップの理由を、人件費や物価の上昇に伴うものであると説明。(15日UN)
(d)16日、本会議で土地私有化改正法案の第1回審議が行われ、同法の施行期間について論議された。第1回目の採決では、施行期間を5年間延長(2013年まで)とするか、或いは無期限とするかで意見が拮抗し、2度目の採決で5年間延長とすることが採択された。同法案は第2回審議のため、経済常任委員会に送付される。(19日AE)
(e)16日、本会議で「国家英雄、労働英雄、国民栄誉及び功労者の称号を有する高齢者に対する年金の割り増し法案」及び「高齢者社会保障法改正法案」が可決された。(19日AE)
(5)その他
(イ)ウランバートル市ハンオール区役所は、同区の生活貧困者100世帯を対象に、ゲル(天幕型移動式住居)を無償で支給した。(13日US)
(ロ)憲法裁判所中法廷が開催され、選挙法第27条4項3号に示された立候補資格に関する規定を「過去に一切刑罰を受けていないこと」とする解釈は立候補する国民の権利に反するものであるとして、同規定の効力を5月14日から一時的に停止するとの決定が出された。(15日TR、US)
(ハ)選挙の公正な実施を監視する民間の6団体による「公正な選挙実施のための市民社会監査ネットワーク」が組織され、各団体の代表者が合意文書に署名した。(15日US)
(ニ)15日、ツォルモン国民新党党首(建設・都市計画大臣)及び同党幹部は記者会見を行い、総選挙に向けた同党の綱領を発表した。主な内容は(a)児童手当の額を月2万トグログにする、(b)仏教を国教とする、(c)民族主義を国家の基軸とする、等。(16日US、AE)
(ホ)「市民運動党」、「緑の党」及び「社会民主党」の3党が「市民連合」として連立を組み、国家大会議総選挙に臨むことを正式に発表。16日、スフバートル広場で連立に係る署名式が行われた。(16日US、17日ZM)
(ヘ)国民勇気党の幹部評議会で、今回の国家大会議総選挙に単独で臨むことが満場一致で決定された。同党からの立候補者については、5月25日から30日の間に正式に決定される予定。(19日MM)
2.外交
(1)一般
(イ)モンゴルとベトナムの協力に関する外務省間対話が開催され、エンフマンダフ外務副大臣とゾ・ウォン・ベトナム外務副大臣が出席した。(14日UN)
(2)要人往来
特段の動き無し。
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン】