モンゴル政務週間動向(2008.09.01-09.07)
1.内政
(1)大統領
(イ)9月2日、エンフバヤル大統領は、青島泰之・前ユネスコ北京事務所長に、モンゴルとユネスコの協力関係の発展に貢献したとして「友好メダル」を授与した。(3日UN)
(ロ)9月3日、ペーター・ローウェ・在モンゴル・オーストラリア大使はエンフバヤル大統領に信任状を奉呈した。エンフバヤル大統領は、2009年に開催予定の地球温暖化問題に関する北東アジア首脳会談へのオーストラリアからの参加を期待する、と述べた。(4日AE)
(ハ)9月3日、アンナ・ビオリク在モンゴル・カナダ大使はエンフバヤル大統領に信任状を奉呈した。エンフバヤル大統領は、両国の外交関係が樹立され、今年で35周年を迎えており、今後両国間の関係を多方面において更に発展させることが重要である、と述べた。(4日AE)
(ニ)9月5日、エンフバヤル大統領は、ケーラー・ドイツ連邦大統領と会談した。(8日AE)
(2)首相、内閣
(イ)9月5日、バヤル首相は、ケーラー・ドイツ連邦大統領を表敬した。(8日AE)
(3)臨時閣議(5日開催)
(イ)物価安定のためのプログラム実施評議会から、日用品等の物価の現状について報告された。同報告によると、主要な食料品の価格は前月に比べ全体的に安定しており、若干値下がりしている品目もある。例えば、牛肉以外の肉の価格は2.0~3.7%値下がりし、小麦粉の価格はほぼ横ばい状態にある。(8日AE)
(ロ)ガソリン価格の値上がりによって公共交通機関が直面している問題を解決し、公共交通機関の業務を総合的に改善するための作業部会が設置され、ラシ道路・運輸・観光大臣が作業部会長に任命された。同作業部会の設置とあわせ、生産者組合連合、経営者連合及び政府による三者協議を開始することが妥当であるとされた。(8日AE)
(ハ)在外公館の給与を改定することが決定された。在外公館の給与はこの5年間で10~32%増額されたが、世界的な物価の上昇等に伴い、多くの在外公館において実質的な給与は以前より低下している状態にあった。(8日AE)
(ニ)ウランバートル市ハンオール区のヤールマグ地区に建設が予定されているエコ・ヤールマグ区域建設計画についてツォルモン建設・都市計画大臣から説明がなされた。同区域の建設に関する総合計画の作成は都市計画・調査・設計研究所とBKBグループ社(韓国企業)が共同で行っている。同計画では2018年までに3万戸の住宅団地が建設される予定であり、計画実施の第1段階として先ず7千戸の住宅が2011年までに利用可能となる予定である。(8日AE)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
(a)9月1日、アルタンホヤグ国家大会議議員・民主党党首、ガンスフ国家大会議議員(民主党)、ガンホヤグ国家大会議議員(民主党)らは、民主党院内会派を設立したことを、デムベレル国家大会議議長に報告した。(2日US、国家大会議プレスリリース)
(b)9月2日、人民革命党を代表しニャムドルジ国家大会議議員、オヨーンホロル国家大会議議員、ザグドジャブ国家大会議議員らは、人民革命党院内会派を設立したことをデムベレル国家大会議議長に報告した。(3日UN、国家大会議プレスリリース)
(ロ)常任委員会
(a)9月5日、国家大会議が開催され、各常任委員会の委員が決定された。今後、各常任委員会によって委員長が選出される予定。(6日UN)
(ハ)本会議
(a)9月1日、国家大会議が開催され、新しい国家大会議議長にデムベレル国家大会議議員(人民革命党)が選出された。(2日US)
(b)9月1日、オヨーン国家大会議議員・外務大臣は、国家大会議議員としての宣誓を行った。(注:8月28日に行われた宣誓式には、外務大臣としての公務で外国出張中であったため出席できなかった。)(2日ZM)
(ニ)国家大会議総選挙(以下「総選挙」)
(a)第7選挙区(ドルノド県)の選挙結果が同選挙区選挙管理委員会から中央選挙管理委員会に提出された。その内容は7月2日に出された暫定選挙結果をそのまま有効とするもので、シネバヤル氏(人民革命党)、アルタンゲレル氏(民主党)及びオドバヤル氏(人民革命党)の3名を当選者としている。(8日ZM)
(5)その他
(イ)9月1日、バヤル人民革命党党首・首相は、新しく民主党党首に就任したアルタンホヤグ国家大会議議員と会談した。同会談の席で、バヤル人民革命党党首は、インフレ等の課題に取り組み、鉱物資源を有効に活用していくため、人民革命党と民主党が協力していくことが重要であると述べ、アルタンホヤグ民主党党首は、組閣及び国家大会議議員の総選挙結果(76名分)を早急に確定することが必須であると同時に、両党の協力の形態について具体化していく必要があると述べた。(2日UN)
(ロ)9月1日朝、ドルノゴビ県の中央第2小学校のゴミ箱で、銃弾が暴発する事件が発生した。暴発による負傷者は出ておらず、地元警察が原因を捜査している。(2日各紙)
(ハ)9月3日、人民革命党の代表者会議(バガ・ホラル)が開催され、民主党との連立政権樹立案が支持された。また、人民革命党としてバヤル人民革命党党首・首相を次期首相に指名することが決定された。(4日各紙)
(ニ)9月4日から、国防省及び参謀本部共催による多国間軍事共同演習「ハーン・クエスト」がタワン・トルゴイ(ファイブヒルズ)の平和維持訓練センターにて開催される。同演習にはインド、タイ、米国等からも参加しており、総計で約360名の兵士が演習を行う。(4日AE)
(ホ)9月4日から、7月1日の騒乱(以下「騒乱」)で実弾を使用し死傷者を出した容疑で勾留されている7名の警察官(注:勾留された10名のうち、3名は釈放されている。)が、無実を訴え勾留所においてハンガーストライキを行うことを通告した。(4日MM)
(ヘ)国際通貨基金(IMF)のモンゴル駐在事務所が2009年4月1日に撤退することとなった。(4日ZM)
(ト)9月4日、ジャルガルサイハン共和党党首(元国家大会議議員)が、騒乱を首謀した容疑で拘束された。(5日ZM、UN)
(チ)アマルサイハン鉱物資源・石油管理庁供給・調整局局長は、ガソリン価格を10月1日から値下げすると発表した。(5日AE)
(リ)9月4日、バトウール国家大会議議員(民主党)は、連立政権樹立案について、人民革命党と連立を組むことは民主党の存在意義をなくすものであり、野党としての機能を果たすために連立を組むべきではないと表明した。(5日AE)
(ヌ)9月4日から、騒乱で実弾を使用し死傷者を出した容疑で勾留されている7名の警察官の家族が、スフバートル広場でハンガーストライキを開始した。(5日各紙)
(ル)9月4日、バヤル人民革命党党首は9月3日の人民革命党代表者会議(バガ・ホラル)で決定した民主党との連立政権樹立案の決議書を民主党幹部に手交した。(5日MM)
(ヲ)イラクに平和維持活動の目的で派兵されていたモンゴル軍は、9月15日から撤退を開始する。(6日UN)
(ワ)9月4日から、アマルボルド警察庁長官代行を警察の保護下においた。騒乱の際、実弾で死傷者がでた事件に関係し、同警察庁長官代行に対して脅迫電話などが相次いだことからこのような保護対策がとられることとなった。(6日UN)
(カ)9月5日、民主党の国民評議会が開催され、人民革命党から提案された連立政権樹立案を受諾することが過半数の支持を得て決定された。また、新しい民主党幹事長にエルデネバト・バガノール区長が選出された。(8日各紙)
(ヨ)9月6日、人民革命党の幹部評議会が開催され、新しい組閣や公約調整のための協議を行うための作業部会のメンバーが選出された。同作業部会メンバーは、M.エンフボルド国家大会議議員(副首相)、ルンデージャンツァン国家大会議議員(前国家大会議議長)、ムンフオルギル法務・内務大臣、ニャムドルジ国家大会議議員、ザンダンシャタル国家大会議議員、Su.バトボルド国家大会議議員(前内閣官房長)の6名であり、M.エンフボルド国家大会議議員(副首相)が作業部会長となる。(8日AE)
(タ)人民革命党と民主党の連立政権樹立に関する世論調査で、「Olloo」及び「News.mn」インターネットサイトに書き込みをした読者の約80%が連立政権樹立に批判的な意見を表明した。(8日ZM)
2.外交
(1)一般
特段の動きなし。
(2)要人往来
9月4日から6日にかけて、ケーラー・ドイツ連邦大統領がモンゴルを公式訪問し、5日エンフバヤル大統領と会談した。会談後、オヨーン外務大臣とゲルノルト・エアラー外務担当国務大臣によって「モンゴルとドイツの総合的パートナーシップについての共同声明」に署名が行われた。(6日UN)
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン、ZS=ゾーニー・ショーダン】