モンゴル政務週間動向(2008.08.18-08.24)
1.内政
(1)大統領
(イ)8月18日、エンフバヤル大統領は第29回夏季北京オリンピックの柔道100キロ級で金メダルを獲得したトゥブシンバヤル選手に「労働英雄」の称号、スフバータル勲章、「アルタン・ソヨンボ」勲章及びスポーツ功労賞を授与した。(19日US)
(ロ)8月20日、フレデリク・デンマーク王太子はエンフバヤル大統領を表敬した。エンフバヤル大統領は、国連、ASEM等の国際的な枠組みの下でモンゴルとデンマークは協力していく可能性があると述べた。(21日AE)
(ハ)8月21日、エンフバヤル大統領は、二国間の友好関係の発展及びモンゴル国の国境警備隊の人材育成に貢献したとして、B.E.プロニチェフ・ロシア連邦保安庁国境警備局長官に「友好メダル」を授与した。(22日TR)
(ニ)8月21日、矢野哲朗参議院議員一行がエンフバヤル大統領を表敬した。矢野参議院議員は、「2007年にエンフバヤル大統領が訪日し、両国間で「今後10年間の日本・モンゴル基本行動計画」に合意したことは日本とモンゴルの協力及び関係発展に大きな意義をもたらすものであり、今後、経済面でのより一層の協力等の進展を期待する。」と述べた。(22日US、大統領府プレスリリース)
(ホ)8月22日、エンフバヤル大統領はアルベール2世モナコ大公と会談した。会談では今回の訪問により二国間の関係発展の基礎を築くことができたことが強調されるとともに、今後の協力の可能性について意見交換が行われた。(23日UN)
(2)首相、内閣
(イ)8月23日から24日にかけてバヤル首相は中国を訪問し、北京オリンピック閉会式に出席するとともに、胡錦濤中国国家主席が中国を訪問中の外国政府要人を招いた夕食会に出席した。(25日ZM)
(ロ)8月22日、バヤル首相はモンゴルを訪問中のアルベール2世モナコ大公と会談した。バヤル首相はモンゴルとモナコの外交関係が樹立され3カ月が経過したこの時期にモナコ大公がモンゴルを訪問したことは今後の両国関係の進展のために重要な意義をもつと述べた。(23日TR)
(3)定例閣議(20日開催)
(イ)ウムヌゴビ県ゴルワンテス郡のナリーンソハイト石炭鉱床からシベーフレン国境までの47キロメートルの地帯に鉄道の敷設工事を行う特別許可を「モンゴル・アルト」社に付与することが妥当であるとした。(21日UN)
(ロ)N.バトバヤル国家大会議議員(民主党)、Su.バトボルド国家大会議議員(人民革命党)、バヤルツォグト国家大会議議員(民主党)らが、オリンピックでメダルを獲得した選手に報奨金を与える国家大会議決議案を提出した。同決議案では、金メダル獲得には100万米ドル、銀メダル獲得には50万米ドル、銅メダル獲得には20万米ドルに相当する報奨金を与えることが提案されている。閣議では同決議案を原則として支持するとし、報奨金に関する検討を行う作業部会を設置して、作業部会長にN.エンフボルド官房長官を任命した。(21日UN)
(ハ)2009年の建設事業計画及びFSの策定作業の進捗状況がM.エンフボルド副首相から報告された。(21日UN)
(ニ)文化分野における協力活動に関する覚書をモンゴル政府とモナコ政府との間で交わすことが妥当であるとした。(21日UN)
(ホ)建設・都市計画省の事務次官にトゥムルホヤグ氏が、不正競争監視・規制庁長官にマンダフ氏がそれぞれ任命された。(21日UN)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
特段の動きなし。
(ロ)常任委員会
特段の動きなし。
(ハ)本会議
(a)8月18日、国家大会議議員の宣誓を行うための第5期国家大会議初回会議が改めて召集されたが、民主党の当選者によるボイコットによって宣誓は行われないまま中断した。同会議には、人民革命党、国民勇気党及び無所属の当選者が出席した他、民主党の当選者からは2名(バトウール国家大会議議員及びB.バトバヤル国家大会議議員。)のみが出席した。(19日各紙)
(ニ)国家大会議総選挙(以下「総選挙」)
(a)第25選挙区(ウランバートル市バヤンゴル区)の有権者による「有権者の権利を守る委員会」は、総選挙後、現在に至るまで未確定の同選挙区の選挙結果を早急に確定すべきとして、エンフバヤル大統領に嘆願書を提出した。(23日TR)
(5)その他
(イ)8月18日、人民革命党と民主党の政党間協議が開催され、合意文書(ショートリスト)への署名が行われた。同合意文書には、現在モンゴルが直面している重要な課題を解決するため、憲法改正、選挙法改正、鉱物資源法改正、物価上昇抑制のための長期計画策定、雇用対策等の10項目の法律・規則、政策等について両党が今後協議していくことが明記されている。(19日AE、US)
(ロ)8月18日、ウランバートル市ナライハ区の石炭鉱山で、酸欠により採掘作業中の作業員2名が死亡した。2008年になって鉱山開発現場の事故による死亡者はこれで10名となった。(20日ZM)
(ハ)8月19日、7月1日の騒乱(以下「騒乱」)で死亡者が出たことに関係した容疑で、新たに5名の警察官が勾留され取調べを受けている。騒乱に関係した警察官の勾留者は合計で10名となった。(21日UN)
(ニ)8月19日、行政法に違反しデモ活動を行ったとして8月5日から勾留されていたアルスラン「公正市民戦線運動」代表及びサロール「国民緑の運動」代表が14日間の勾留期限を終了したため釈放された。両氏は、騒乱による勾留者の釈放を訴えて勾留者の家族と共に座り込みをしていたもので、今後も運動を継続すると主張している。(20日US)
(ホ)8月19日、ウランバートル市内のガソリン価格が、1リットル当たり150~280トグログ値上げされた。これによりガソリン価格(レギュラー)は1リットル当たり約1685トグログ、ディーゼル価格は1リットル当たり約1920トグログとなった。(20日US)
(ヘ)8月20日、「警察官の家族の会」NGOが、警察官の権利を守ることを主張したデモをスフバートル広場で行った。(21日AE)
(ト)8月22日、人民革命党は、人民革命党と民主党との間で政党間協議の合意文書に署名がなされた後も、総選挙結果がすべて確定していないこと等を理由に民主党が国家大会議議員の宣誓をボイコットしていることに対し、エルベグドルジ民主党党首を批判するとともに国政の停滞を脱するために各政党が協力することを働きかける声明文を各政党に発出した。(23日UN)
2.外交
(1)一般
特段の動き無し。
(2)要人往来
(イ)8月20日から22日、モンゴルとデンマークの外交関係樹立40周年に合わせ、エンフバヤル大統領の招待でフレデリク・デンマーク王太子がモンゴルを公式訪問した。(23日各紙)
(ロ)8月22日から23日にかけて、アルベール2世モナコ大公がモンゴルを訪問した。アルベール2世大公はエンフバヤル大統領、バヤル首相及びルンデージャンツァン国家大会議議長と会談した他、オヨーン外務大臣との間で「モンゴル・モナコ政府間の文化分野における協力に関する覚書」に署名が行われた。(23日、24日各紙)
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン、ZS=ゾーニー・ショーダン】(注:本文中の「Su.バトボルド国家大会議議員」は、ソンドイン・バトボルド国家大会議議員を指す。)