新型インフルエンザの流行状況について(第50報(8月21日付))
1.2009年6月12日(日本時間)、世界保健機関(WHO)は、現在の多くの国における感染の客観的状況と専門家の評価から、新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェーズ5から6に引き上げました。
新型インフルエンザが確認された国・地域(日本を除く)については、別途、「感染症危険情報」を発出しています。世界的感染拡大にかんがみ、今後、海外に渡航を予定されている方及び既に滞在されている方は、渡航・滞在先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し、十分注意の上、感染防止に努めるとともに、感染が疑われた場合には速やかに医療機関で受診してください。
(ただし、国・地域によって状況が異なりますので、渡航・滞在先に所在している在外公館等に御確認ください。)
7月16日、WHOは、全ての国・地域の確定症例数の公表は取りやめ、感染が継続している加盟国からの感染確定症例数の報告を今後は求めないとの方針を示しました。8月13日付けでWHOが発表した全世界の感染者数は182,166人以上、うち死亡者は1,799人ですが、実際の感染者数はこれより多いともしています。下記国・地域別感染者数情報の【】内は、WHOが7月6日現在で公表していた数値です。
2009年8月21日午前10時(日本時間)現在、感染及び死亡が確認された旨政府当局等が発表した国・地域は以下のとおりです(※なお、日本を含め、米国、英国、アルゼンチン、サウジアラビア、シンガポール、ボリビア等既に感染者の全数検査をとりやめている国・地域もあり、以下の感染者数は各国・地域の当局等が最後に公表した数値です。)。
感染が確認された国・地域 156か国2地域
米国
感染者数 43,771人(うち 477人死亡)
(米領サモア、グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島、北マリアナ諸島含む)
アルゼンチン
感染者数 6,768人(うち 404人死亡)
ブラジル
感染者数 3,087人(うち 368人死亡)
メキシコ
感染者数 19,634人(うち 164人死亡)
チリ
感染者数 12,104人(うち 105人死亡)
オーストラリア
感染者数 32,799人(うち 128人死亡)
タイ
感染者数 13,019人(うち 111人死亡)
カナダ
感染者数 10,156人(うち 71人死亡)
マレーシア
感染者数 1,780人(うち 62人死亡)
英国
感染者数 13,228人(うち 60人死亡)
(バミューダ島、ケイマン諸島、マン島、ガーンジー島、ジャージー島、英領バー ジン諸島、タークスカイコス諸島、フォークランド諸島を含む)
コスタリカ
感染者数 982人(うち 31人死亡)
ペルー
感染者数 4,029人(うち 29人死亡)
パラグアイ
感染者数 261人(うち 27人死亡)
インド
感染者数 1,707人(うち 25人死亡)
コロンビア
感染者数 367人(うち 23人死亡)
エクアドル
感染者数 682人(うち 21人死亡)
ウルグアイ
感染者数 36人(うち 19人死亡)【195人感染、4人死亡】
エルサルバドル
感染者数 717人(うち 15人死亡)
ニュージーランド
感染者数 3,124人(うち 16人死亡)
(クック諸島を含む)
サウジアラビア
感染者数 2,000人(うち 14人死亡)
ボリビア
感染者数 1,029人(うち 12人死亡)
ベネズエラ
感染者数 556人(うち 12人死亡)
イスラエル
感染者数 60人(うち 11人死亡)【681人】
グアテマラ
感染者数 528人(うち 10人死亡)
シンガポール
感染者数 1,055人(うち 10人死亡)
スペイン
感染者数 1,806人(うち 10人死亡)
南アフリカ
感染者数 3,485人(うち 6人死亡)
パナマ
感染者数 647人(うち 6人死亡)
ドミニカ(共)
感染者数 182人(うち 5人死亡)
中国
感染者数 2,861人
香港 感染者数 7,071人(うち 4人死亡)
マカオ 感染者数 394人
日本
感染者数 5,022人(うち3人死亡)
韓国
感染者数 2,032人(うち2人死亡)
ベトナム
感染者数 1,275人(うち 2人死亡)
アイルランド
感染者数 513人(うち 2人死亡)
ジャマイカ
感染者数 49人(うち 2人死亡)
フィリピン
感染者数 1,709人(うち 1人死亡)
オランダ
感染者数 1,473人(うち 1人死亡)
(オランダ領アンティル、アルバを含む)
フランス
感染者数 1,348人(うち 1人死亡)
(仏領ポリネシア、マルチニーク島、グアドループ、ニューカレドニア、サンマル タン、レユニオンを含む)
クウェート
感染者数 935人(うち1人死亡)
ブルネイ
感染者数 786人(うち 1人死亡)
ニカラグア
感染者数 553人(うち 1人死亡)
エジプト
感染者数 509人(うち 1人死亡)
レバノン
感染者数 476人(うち 1人死亡)
インドネシア
感染者数 416人(うち 1人死亡)
カタール
感染者数 350人(うち 1人死亡)
ラオス
感染者数 226人(うち 1人死亡)
ベルギー
感染者数 126人(うち 1人死亡)
ホンジュラス
感染者数 118人(うち 1人死亡)【123人感染、1人死亡】
(報道によれば、ホンジュラス保健当局は231人の感染、うち6人の死亡を発表)
ハンガリー
感染者数 82人(うち 1人死亡)
イラク
感染者数 96人(うち 1人死亡)
イエメン
感染者数 16人(うち1人死亡)
セントクリストファー・ネービス
感染者数 3人(うち 1人死亡)
ドイツ
感染者数 9,213人
ギリシャ
感染者数 1,424人
イタリア
感染者数 1,517人
ポルトガル
感染者数 884人
スイス
感染者数 752人
スウェーデン
感染者数 574人
オマーン
感染者数 513人
キプロス
感染者数 297人
トルコ
感染者数 290人
キューバ
感染者数 264人
ルーマニア
感染者数 253人
オーストリア
感染者数 222人
スロベニア
感染者数 201人
イラン
感染者数 196人
バーレーン
感染者数 180人
ロシア
感染者数 131人
セルビア
感染者数 120人
ルクセンブルク
感染者数 118人
アラブ首長国連邦
感染者数 110人
トリニダード・トバゴ
感染者数 106人
ヨルダン
感染者数 99人
フィジー
感染者数 97人
スロバキア
感染者数 92人
モロッコ
感染者数 84人
ポーランド
感染者数 81人
サモア
感染者数 80人
ノルウェー
感染者数 76人
クロアチア
感染者数 74人
デンマーク
感染者数 44人【66人】
アイスランド
感染者数 63人
フィンランド
感染者数 4人【47人】
リトアニア
感染者数 40人
マケドニア
感染者数 39人
バルバドス
感染者数 39人
パラオ
感染者数 38人
ブルガリア
感染者数 36人
アフガニスタン
感染者数 32人
マーシャル
感染者数 32人
チュニジア
感染者数 32人
マルタ
感染者数 【24人】
(報道によれば244人の感染、1人死亡)
バハマ
感染者数 23人
ミャンマー
感染者数 23人
モンテネグロ
感染者数 22人
スリランカ
感染者数 22人
シリア
感染者数 21人
カンボジア
感染者数 19人
バングラデシュ
感染者数 8人【18人】
スリナム
感染者数 18人
カザフスタン
感染者数 17人
アルジェリア
感染者数 16人
チェコ
感染者数 15人
ケニア
感染者数 1人【15人】
ベリーズ
感染者数 15人
タンザニア
感染者数 15人
トンガ
感染者数 14人
エストニア
感染者数 4人【13人】
グルジア
感染者数 12人
ボスニア・ヘルツェゴビナ
感染者数 11人
ラトビア
感染者数 10人
リビア
感染者数 10人
ネパール
感染者数 9人
ガイアナ
感染者数 8人
ハイチ
感染者数 7人
ウガンダ
感染者数 7人
マダガスカル
感染者数 6人
ツバル
感染者数 5人
ザンビア
感染者数 5人
カメルーン
感染者数 4人
カーボヴェルデ
感染者数 4人
スーダン
感染者数 4人
アンティグア・バーブーダ
感染者数 4人
エチオピア
感染者数 3人
セントルシア
感染者数 3人
アゼルバイジャン
感染者数 2人
コートジボワール
感染者数 2人
グレナダ
感染者数 2人
キリバス
感染者数 2人
ナミビア
感染者数 2人
東ティモール
感染者数 2人
バヌアツ
感染者数 2人
ベラルーシ
感染者数 1人
ボツワナ
感染者数 1人
コンゴ(民)
感染者数 1人
ドミニカ国
感染者数 1人
ガボン
感染者数 1人
ガーナ
感染者数 1人
コソボ
感染者数 1人
ミクロネシア
感染者数 1人
モルディブ
感染者数 1人
モーリシャス
感染者数 1人
モザンビーク
感染者数 1人
パキスタン
感染者数 1人
パプアニューギニア
感染者数 1人
セントビンセント
感染者数 1人
ソロモン
感染者数 1人
ウクライナ
感染者数 1人
パレスチナ自治区(西岸及びガザ地区)
感染者数 108人(うち死亡者1人)
台湾
感染者数 1,280人(うち死亡者2人)
また、WHOは上記の他、アンドラ、ブータン、セーシェル、アルバニア、スワジランド、モルドバ、モナコ、ナウルの8か国で感染が確認された旨公表しています。
2.新型インフルエンザとは
新たにヒトからヒトへ感染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に人類が免疫を獲得していないことから、大規模かつ急速なまん延により人類の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいいます。
今般、メキシコや米国等で感染が確認されたインフルエンザ(A/H1N1)は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」第6条7号に規定する新型インフルエンザに位置づけられました。
3.新型インフルエンザの症状
突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等であり季節性インフルエンザと類似しているといわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐が多い可能性が指摘されています。
4.留意点
WHOは、この新型インフルエンザの感染者の圧倒的多数は軽症であり、早期に回復していること、及び世界的には死者数は少なく、今後重症・死亡例の急増はない見通しを伝えつつ、引き続き渡航制限は推奨しないとしています。他方、更なる感染拡大は不可避であること、特に途上国における更なる感染拡大が懸念される旨指摘し、30代から50代の方々、基礎的疾患を持つ方及び妊娠中の女性が感染すると重症化する場合があるともしています。つきましては、下記5.の点に留意し、感染防止に努めてください。
5.感染防止策
(1)外出の機会を減らすため、十分な水・食糧の備蓄を行う。
(2)外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、
マスクを着用する。
(3)積極的に手洗いやうがいを行う。
(4)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に不用意に
手で触れない。
(5)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受 診する(ただし、国・地域によって状況が異なりますので、渡航・滞在先の公館等 に御確認ください)。
6.海外における入国時の健康チェック
現在、多くの国においては、入国時の健康チェック(質問票やサーモグラフィによるもの)が行われています。その際、発熱等インフルエンザ様症状がある場合には、新型インフルエンザ感染の確認等のため、一定期間待機を求められる場合がありますので、日本出発時に発熱等不調を感じられた場合には出発前に都道府県による新型インフルエンザ相談窓口発熱相談センター(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090430-02.html)等に御相談されることをお勧めします。
7.日本帰国時の検疫体制
わが国入国前の検疫ブースにおいて、健康カードを配布し、発症した場合には医療機関を受診するよう注意喚起しています。各保健所等に設置された発熱相談センターでは、医療機関の紹介、自宅療養患者への相談対応等の情報提供を行っていますので、御相談ください。
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)4484
○外務省領事局海外邦人安全課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版):http://www.anzen.mofa.go.jp/i/
(関連ホームページ)
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○国立感染症研究所感染症情報センターホームページ
(新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザH1N1))
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/(英語)
○CDC(米国疾病予防対策センター)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/(英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html