新型インフルエンザの流行状況について(第48報(8月7日付))
1.2009年6月12日(日本時間)、世界保健機関(WHO)は、現在の多くの国における感染の客観的状況と専門家の評価から、新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェーズ5から6に引き上げました。
新型インフルエンザが確認された国・地域(日本を除く)については、別途、「感染症危険情報」を発出しています。世界的感染拡大にかんがみ、今後、海外に渡航を予定されている方及び既に滞在されている方は、渡航・滞在先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し、十分注意の上、感染防止に努めるとともに、感染が疑われた場合には速やかに医療機関で受診してください。
(ただし、国・地域によって状況が異なりますので、渡航・滞在先に所在している在外公館等に御確認ください。)
(1)7月16日、WHOは、全ての国・地域の確定症例数の公表は取りやめ、感染が継続している加盟国からの感染確定症例数の報告を今後は求めないとの方針を示しました。7月31日付けでWHOが発表した全世界の感染者数は162,380人、うち死亡者は1,154人ですが、実際の感染者数はこれより多いともしています。下記国・地域別感染者数情報の【】内は、WHOが7月6日現在で公表していた数値です。
2009年8月7日午前10時(日本時間)現在、感染及び死亡が確認された旨政府当局等が発表した国・地域は以下のとおりです(※なお、日本を含め、米国、英国、アルゼンチン、サウジアラビア、シンガポール、ボリビア等既に感染者の全数検査をとりやめている国・地域もあり、以下の感染者数は各国・地政府当局等が最後に公表した数値です。)。
感染が確認された国・地域 148か国2地域
米国
感染者数 43,771人(うち 353人死亡)
(米領サモア、グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島含む)
アルゼンチン
感染者数 5,710人(うち 337人死亡)
メキシコ
感染者数 17,416人(うち 146人死亡)
ブラジル
感染者数 2,959人(うち 129人死亡)
チリ
感染者数 11,860人(うち 87人死亡)
オーストラリア
感染者数 23,692人(うち 70人死亡)
タイ
感染者数 8,879人(うち 65人死亡)
カナダ
感染者数 10,156人(うち 62人死亡)
英国
感染者数 12,470人(うち 40人死亡)
(バミューダ島、ケイマン諸島、マン島、ガーンジー島、ジャージー島、
英領バージン諸島、タークスカイコス諸島を含む)
ペルー
感染者数 4,029人(うち 29人死亡)
コスタリカ
感染者数 668人(うち 21人死亡)
エクアドル
感染者数 469人(うち 17人死亡)
ニュージーランド
感染者数 2,747人(うち 13人死亡)
(クック諸島を含む)
コロンビア
感染者数 259人(うち 13人死亡)
ボリビア
感染者数 917人(うち 10人死亡)
エルサルバドル
感染者数 556人(うち 9人死亡)
グアテマラ
感染者数 528人(うち 10人死亡)
パラグアイ
感染者数 150人(うち 6人死亡)
スペイン
感染者数 1,806人(うち 6人死亡)
シンガポール
感染者数 1,055人(うち 6人死亡)
ドミニカ(共)
感染者数 154人(うち 5人死亡)
マレーシア
感染者数 1,302人(うち 4人死亡)
サウジアラビア
感染者数 595人(うち4人死亡)
ウルグアイ
感染者数 36人(うち 19人死亡)【195人感染、4人死亡】
中国
感染者数 2,210人
香港 感染者数 4,272人(うち2人死亡)
マカオ 感染者数 217人
イスラエル
感染者数 60人(うち2人死亡)【681人】
ジャマイカ
感染者数 49人(うち 2人死亡)
フィリピン
感染者数 1,709人(うち 1人死亡)
フランス
感染者数 1,211人(うち1人死亡)
(仏領ポリネシア、マルチニーク島、グアドループ、ニューカレドニア、
サンマルタン、レユニオンを含む)
ベトナム
感染者数 794人(うち1人死亡)
ブルネイ
感染者数 786人(うち 1人死亡)
オランダ
感染者数 663人(うち1人死亡)
(オランダ領アンティル、アルバを含む)
南アフリカ
感染者数 591人(うち1人死亡)
パナマ
感染者数 541人(うち 1人死亡)
インドネシア
感染者数 416人(うち1人死亡)
エジプト
感染者数 238人(うち1人死亡)
ベルギー
感染者数 126人(うち1人死亡)
ホンジュラス
感染者数 118人(うち 1人死亡)【123人感染、1人死亡】
(報道によれば、ホンジュラス保健当局は231人の感染、うち6人の死亡を発表)
レバノン
感染者数 162人(うち1人死亡)
ラオス
感染者数 156人(うち1人死亡)
ハンガリー
感染者数 82人(うち1人死亡)
カタール
感染者数 43人(うち1人死亡)
セントクリストファー・ネービス
感染者数 3人(うち1人死亡)
インド
感染者数 145人
(報道によれば、インド保健当局は558人の感染、うち1人の死亡を発表)
日本
感染者数 5,022人
ドイツ
感染者数 2,844人
韓国
感染者数 922人
ギリシャ
感染者数 730人
スイス
感染者数 568人
スウェーデン
感染者数 429人
ポルトガル
感染者数 369人
ニカラグア
感染者数 300人
キプロス
感染者数 297人
アイルランド
感染者数 276人
イタリア
感染者数 258人
ベネズエラ
感染者数 172人【206人】
ルーマニア
感染者数 172人
オーストリア
感染者数 153人
バーレーン
感染者数 148人
スロベニア
感染者数 130人
オマーン
感染者数 125人
セルビア
感染者数 115人
アラブ首長国連邦
感染者数 110人
キューバ
感染者数 109人
イラン
感染者数 105人
フィジー
感染者数 97人
トリニダード・トバゴ
感染者数 97人
ポーランド
感染者数 81人
サモア
感染者数 80人
ノルウェー
感染者数 76人
モロッコ
感染者数 71人
デンマーク
感染者数 44人【66人】
ルクセンブルク
感染者数 61人
スロバキア
感染者数 58人
ロシア
感染者数 55人
クロアチア
感染者数 52人
アイスランド
感染者数 51人
フィンランド
感染者数 4人【47人】
ヨルダン
感染者数 43人
トルコ
感染者数 12人【40人】
クウェート
感染者数 22人【35人】
マーシャル
感染者数 32人
バルバドス
感染者数 25人
マルタ
感染者数 【24人】
バハマ
感染者数 23人
リトアニア
感染者数 22人
スリランカ
感染者数 22人
カンボジア
感染者数 19人
マケドニア
感染者数 19人
バングラデシュ
感染者数 8人【18人】
モンテネグロ
感染者数 18人
カザフスタン
感染者数 17人
アルジェリア
感染者数 16人
ブルガリア
感染者数 16人
スリナム
感染者数 16人
チェコ
感染者数 15人
ケニア
感染者数 1人【15人】
ベリーズ
感染者数 15人
シリア
感染者数 14人
トンガ
感染者数 14人
パラオ
感染者数 13人
エストニア
感染者数 4人【13人】
ミャンマー
感染者数 13人
イラク
感染者数 9人【12人】
グルジア
感染者数 12人
ボスニア・ヘルツェゴビナ
感染者数 11人
イエメン
感染者数 11人
ラトビア
感染者数 10人
チュニジア
感染者数 10人
ネパール
感染者数 9人
ハイチ
感染者数 7人
ウガンダ
感染者数 7人
ザンビア
感染者数 5人
リビア
感染者数 4人
カーボヴェルデ
感染者数 4人
アンティグア・バーブーダ
感染者数 3人
エチオピア
感染者数 3人
セントルシア
感染者数 3人
スーダン
感染者数 3人
タンザニア
感染者数 3人
アゼルバイジャン
感染者数 2人
コートジボワール
感染者数 2人
ガイアナ
感染者数 2人
キリバス
感染者数 2人
ナミビア
感染者数 2人
東ティモール
感染者数 2人
バヌアツ
感染者数 2人
ボツワナ
感染者数 1人
ドミニカ国
感染者数 1人
ガボン
感染者数 1人
グレナダ
感染者数 1人
コソボ
感染者数 1人
ミクロネシア
感染者数 1人
モルディブ
感染者数 1人
モーリシャス
感染者数 1人
パプアニューギニア
感染者数 1人
セントビンセント
感染者数 1人
ソロモン
感染者数 1人
ウクライナ
感染者数 1人
パレスチナ自治区(西岸及びガザ地区)
感染者数 7人【60人】
台湾
感染者数 1,280人(うち死亡者1人)
また、WHOは上記の他、アフガニスタン、アンドラ、ブータン、セーシェル、アルバニア、スワジランド、モルドバ、モナコ、ナウルの9か国で感染が確認された旨公表しています。
2.新型インフルエンザとは
新たにヒトからヒトへ感染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に人類が免疫を獲得していないことから、大規模かつ急速なまん延により人類の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいいます。
今般、メキシコや米国等で感染が確認されたインフルエンザ(A/H1N1)は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」第6条7号に規定する新型インフルエンザに位置づけられました。
3.新型インフルエンザの症状
突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等であり季節性インフルエンザと類似しているといわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐が多い可能性が指摘されています。
4.留意点
WHOは、この新型インフルエンザの感染者の圧倒的多数は軽症であり、早期に回復していること、及び世界的には死者数は少なく、今後重症・死亡例の急増はない見通しを伝えつつ、引き続き渡航制限は推奨しないとしています。他方、更なる感染拡大は不可避であること、特に途上国における更なる感染拡大が懸念される旨指摘し、30代から50代の方々、基礎的疾患を持つ方及び妊娠中の女性が感染すると重症化する場合があるともしています。つきましては、下記5.の点に留意し、感染防止に努めてください。
5.感染防止策
(1)外出の機会を減らすため、十分な水・食糧の備蓄を行う。
(2)外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する。
(3)積極的に手洗いやうがいを行う。
(4)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に不用意に手で触れない。
(5)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受診する(ただし、国・地域によって状況が異なりますので、渡航・滞在先の公館等に御確認ください)。
6.海外における入国時の健康チェック
現在、多くの国においては、入国時の健康チェック(質問票やサーモグラフィによるもの)が行われています。その際、発熱等インフルエンザ様症状がある場合には、新型インフルエンザ感染の確認等のため、一定期間待機を求められる場合がありますので、日本出発時に発熱等不調を感じられた場合には出発前に都道府県による新型インフルエンザ相談窓口発熱相談センター(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090430-02.html)等に御相談されることをお勧めします。
7.日本帰国時の検疫体制
わが国入国前の検疫ブースにおいて、健康カードを配布し、発症した場合には医療機関を受診するよう注意喚起しています。各保健所等に設置された発熱相談センターでは、医療機関の紹介、自宅療養患者への相談対応等の情報提供を行っていますので、御相談ください。
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)4484
○外務省領事局海外邦人安全課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省海外安全相談センター
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版):http://www.anzen.mofa.go.jp/i/
(関連ホームページ)
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○国立感染症研究所感染症情報センターホームページ
(新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザH1N1))
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/(英語)
○CDC(米国疾病予防対策センター)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/(英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html