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モンゴル政務週間動向(2008.06.16-06.22)


1.内政
(1)大統領
(イ)6月19日、エンフバヤル大統領は国家功労教師、国家功労俳優、文化功労者等の9つの称号を計13名のモンゴル国民に授与した。また、北極星勲章をバンズラグチ国税庁監査員、バルハス・バヤンズルフ区文化センター長ら計7名のモンゴル国民に授与した。(20日TR)
(ロ)6月19日、エンフバヤル大統領は、モンゴルとロシアの関係の発展に寄与したとして、イワン・セルゲービチ・モスティカ在モンゴル・ロシア大使館参事官に北極星勲章を授与した。(20日TR)
(ハ)6月19日、エンフバヤル大統領は、モンゴルを公式訪問中の習近平・中国国家副主席と会談し、「中国からの3億米ドルの借款の使途については、両国で合意がなされている。同借款に関して両国の関係部署で行われている協議が促進されるよう、両国の政府がこれを支援すると確信している。」と述べた。また、習近平・中国国家副主席は、「両国はインフラ、鉱物資源開発、文化、教育及びその他の分野並びに大規模プロジェクトの実施の面で協力することが可能であり、国際及び地域レベルで相互支援ができると確信している。」と述べた。(20日ZM)
(2)首相、内閣
(イ)バヤル首相は6月15日にホブド県を、6月16日にザブハン県をそれぞれ視察した。両県では「第三次農業復興計画」のもと、農地の拡大が図られている。これに関連し、バヤル首相は、ホブド県及びザブハン県にそれぞれ5億トグログの借款を供与し、更にホブド県ボルガン郡に1億5千万トグログの借款を供与することが妥当であると考えている旨、同県の住民との会合時に発言した。(17日ZS)
(ロ)6月19日、バヤル首相は、モンゴルを公式訪問中の習近平・中国国家副主席と会談した。同会談では、(a)ハイレベルによる相互訪問及び会談を積み重ねていくこと、(b)2009年に「モ」中外交関係樹立60周年及び友好関係・協力条約締結15周年を祝うこと、(c)二国間の貿易、経済協力を総合的に発展させていくこと等について協議された。(20日TR)
(3)定例閣議(18日開催)
(イ)「肉及びカシミア原毛の買付価格安定のための方策決議」(当館注:5月30日に決議された。)実施のための「カシミア製造業者への低利融資に関する規定」が承認された。同規定で定められた資金は、投資開発基金から支出される。また、7月15日までをカシミア原毛の購入のための準備期間とし、7月15日から8月15日をカシミア原毛の購入期間とすることが妥当であるとされた。(19日AE、ZS)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
 特段の動きなし。
(ロ)常任委員会
 特段の動きなし。
(ハ)本会議
 特段の動きなし。
(ニ)国家大会議議員総選挙(以下「総選挙」)
(a)中央選挙管理委員会から、国家大会議総選挙の投票用紙の見本が紹介され、投票時の注意事項などが発表された。注意事項によると、投票が無効とされるのは、(ⅰ)定数以上の立候補者にマルをつけた場合、(ⅱ)規定された以外の印をつけたり、書き込みをしたりしたために投票内容が不明確になった場合等となる。(17日US、ZM)
(b)開発計画党から第26選挙区(ウランバートル市ソンギノハイルハン区)に立候補していたゲレルマーが立候補をとり止めることとなった。開発計画党の幹部は、その理由を、同選挙区で立候補している民主党の4人の立候補者(当館注:バトバヤル(元小結旭鷲山)を含む。)の活動を支援するためとしている。(18日UN)
(c)第18選挙区(ヘンティー県)の民主党の立候補者として公認されなかったジャルガル・ヘンティー県知事(民主党)は、民主党を脱退し、同選挙区から無所属で立候補することとなった。(18日TR)
(d)開発計画党は第21~第25選挙区(当館注:いずれもウランバートル市内の選挙区)で立候補の申請をしていた開発計画党の11人の立候補をとり止めると発表した。開発計画党の幹部はその理由を、(ⅰ)開発計画党と民主党の公約には重なる点が多いことから、開発計画党は民主党を支持する立場をとること、及び(ⅱ)民主党との票割れを防ぐため同選挙区での開発計画党の立候補をとり止めるのが妥当であると判断したことによると述べた。(19日UN)
(e)中央選挙管理委員会は、全国の有権者のうち11万6568人の国民について異なる住所で重複して登録されていると発表した。また、これらの登録が重複している国民の68%がウランバートル市民であるとしている。(19日TR)
(f)伝統統一党から第26選挙区(ウランバートル市ソンギノハイルハン区)で立候補していたアムガランが立候補をとり止めることとなった。同立候補者はその理由を、同選挙区で民主党から立候補している4人の立候補者の活動を支援するためとしている。(19日UN)
(g)民主党は、国家大会議選挙法により選挙実施前の住民の移転の制限や期間が定められているが、現在同法に違反する行為が数多く見られるとして、それに対する措置を速やかに取るよう、中央選挙管理委員会に陳情書を提出した。(19日MM)
(h)中央選挙管理委員会が国民登録・情報センターの統計に基づき発表した今回の有権者数は156万1248人であるが、国家統計局が年齢及び性別毎に集計した有権者数の総計は167万3731人となっており、11万人以上の誤差があることが明らかになった。(20日ZS)
(i)6月19日、「公正な選挙実施のための市民社会監査ネットワーク」の活動の一環として、グローブ・インターナショナルNGOは6月8日から14日にかけて実施した選挙宣伝活動のモニタリング調査結果を発表した。同調査によると、モンゴル公共テレビ、UBS、25チャンネル、TV5、TV9及びイーグルTVの各テレビ局での総放送時間49,026分のうち、選挙宣伝関連の放送時間は11,125分となった。それらの放送の大部分を人民革命党と民主党の立候補者の宣伝が占めており、立候補者個人のテレビ放映時間では、オンダルマー・ウランバートル市議会議員(人民革命党)、サイハンビレグ前情報通信技術庁長官(民主党)、アルタイ・25チャンネルTV局局長(無所属)、エルベグドルジ民主党党首(民主党)らが上位を占めた。また、新聞紙上における選挙宣伝広告の面積でみると、トゥブデンドルジ(民主党)、エンフサイハン国家大会議議員(国民新党)、ボルド前鉱物資源・石油管理庁長官(民主党)、ムンフオルギル法務・内務大臣(人民革命党)らが上位を占めた。(20日UN)
(j)6月20日、中央選挙管理委員会は、総選挙の立候補者名簿を発表した。今回の総選挙の立候補者は計356人となる。立候補者の申請登録がされた後、開発計画党、民主運動党及び共和党から立候補する予定であった計39名が立候補をとり止めた。356名のうち66名が女性である。また、190名が地方の20の選挙区で立候補している。立候補者数が一番多いのは、ウランバートル市の第22選挙区(バヤンズルフ区・ナライハ区)で、定数4名に対し35名が立候補した。バトトルガ中央選挙管理委員会委員長は記者会見で、立候補者は高学歴の者が97%を占め、比較的若い年齢層の立候補者が多いと述べた。(21日UN)
(k)人民革命党は、同党が「祖国の恩恵」に関する公約について150万トグログ以上を配分するとの補足説明をしたことに対し、バヤルサイハン中央選挙管理委員会事務局長が人民革命党を誹謗する発言をしたとして、同事務局長の辞職を求める陳述書を中央選挙管理委員会に提出した。それに対しバヤルサイハン中央選挙管理委員会事務局長は、記者会見の席上、人民革命党の陳述書によって中央選挙管理委員会委員が辞職することはなく、辞職するのは(ⅰ)自ら希望して辞職をする場合、(ⅱ)国家大会議による決定が出された場合に限る、と辞職を否定した。(23日MM)
(5)その他
(イ)6月16日、人民革命党とモンゴル学生連盟との間の今後4年間の協力活動に関して、オトゴンバヤル人民革命党幹事長とエンフトゥブシン・モンゴル学生連盟代表が合意文書に署名した。(17日ZM)
(ロ)首都非常事態委員会は、ウランバートル市で続いている降雨により洪水が発生するおそれが出ていることから、6月22日から市内の6つの地区で洪水を防ぐための活動を開始した。また、浸水のおそれがある市内の3世帯を避難させた。(23日MM)

2.外交
(1)一般
 特段の動きなし。
(2)要人往来
(イ)6月19日、習近平・中国国家副主席がモンゴルを公式訪問した。習近平・中国国家副主席は6月19日にエンフバヤル大統領、バヤル首相とそれぞれ会談した他、6月20日にはウランバートル市内のスポーツ総合施設の定礎式に参加し、モンゴル・中国経済フォーラムで挨拶した。同副主席は、6月21日朝モンゴルを出発し、サウジアラビア、カタール及びイエメンを訪問する予定。(19日AE、21日US)
(ロ)習近平・中国国家副主席のモンゴル公式訪問に関連し、両国の政府関係者は、政府庁舎で政府間協力及び省庁間協力に係る13の文書に署名を行った。署名された文書は、(a)「2009年から2011年までのモンゴル・中国両国外務省間協力に関する覚書」(オヨーン外務大臣及び張業遂・中国外交部副部長との間で署名)、(b)「2008年から2012年までの二国間の保健分野における協力計画に関する覚書」(バトセレーデネ保健大臣及び余洪耀・在モンゴル中国大使との間で署名)などである。(20日各紙)

【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン】