モンゴル政務週間動向(2008.05.19-05.25)
1.内政
(1)大統領
(イ)20日、エンフバヤル大統領は、ガンダンテグチレン寺で行われた釈迦生誕祭に、ビレグト・ウランバートル市長らと共に出席した。(21日各紙)
(ロ)21日、エンフバヤル大統領は、P.メタ国連開発計画(UNDP)モンゴル駐在代表の任期終了にあたり、その功績を称え同代表に北極星勲章を授与した。(22日各紙、大統領府プレスリリース)
(ハ)21日、チンギスハーンの生誕を祝う記念式典がスフバートル広場で行われ、エンフバヤル大統領、バヤル首相、ルンデージャンツァン国家大会議議長らが参加した。(22日UN、ZM)
(2)首相、内閣
(イ)23日~26日、バヤル首相はヘンティー県、スフバータル県及びドルノド県をそれぞれ視察した。(24日TR、27日ZS)
(3)定例閣議(21日開催)
(イ)「肉及びカシミア原毛の価格安定のための方策」決議案を、国家大会議に提出することが決まった。同決議案には、カシミア原毛の買付価格が3万~3万2千トグログを下回る場合、価格が回復するまで政府が同原毛を買い取る等の方策が盛り込まれている。(当館注:同決議案が提案された背景には、牧畜民の現金収入源であるカシミア原毛の買付価格が1キロあたり2~2.5万トグログ(昨年比4~5割減)まで暴落したことがある。なお、民主党議員からカシミア原毛の最低買付価格を3万トグログとする決議案が、また人民革命党議員から同価格を3万2千トグログとする決議案がそれぞれ準備されていた。)(22日AE、ZM)
(4)国家大会議
(イ)常任委員会
(a)ロブサンジャブ国家大会議事務局長が辞職したのを受け、20日、国家組織常任委員会はその後任として、サンダグオチル元警察庁長官を任命した。(21日各紙)
(b)20日、経済常任委員会で、「石油製品に関する法律の改正法案」及び「石油製品の供給量増加のための方策決議案」を審議することが決定された。(21日MM)
(c)23日、経済常任委員会で、ダミラン国家大会議議員(人民革命党)、オチルフー国家大会議議員(人民革命党)らとバトウール国家大会議議員(民主党)らによってそれぞれ提出されていた鉱物資源法の2つの改正法案を取りまとめた改正法案が作業部会によって紹介され、国家大会議で審議されることとなった。(24日UN)
(ロ)本会議
(a)22日、土地私有化改正法案が可決された。改正前は世帯毎であった土地の分配が、同法案では国民毎となり、同法施行期間は5年間(2013年5月1日まで)延長されることとなった。(23日各紙)
(b)23日、在キューバ大使にドルゴルジャブ大統領政治顧問、在ベトナム大使にスンデブ国家安全保障評議会事務局長、在タイ大使にダシプレブ外務省官房長及び在豪州大使にジャムバルドルジ首相外交政策顧問をそれぞれ任命することにつき承認された。(24日UN)
(5)その他
(イ)18日、人民革命党(バヤル首相(人民革命党党首)及び人民革命党幹部出席)は、高齢者を招いた会合を開催し、年金制度や高齢者への優遇措置などについての政策を紹介した。(20日TR)
(ロ)20日、ビャンバトルガ「ダヤル・モンゴル運動」代表及びガンスレン「フフ・モンゴルグループ」代表が、「伝統統一党」から国家大会議総選挙に立候補することを発表した。(当館注:「ダヤル・モンゴル運動」及び「フフ・モンゴルグループ」は、2006年11月に中国・韓国系の店を襲撃するなど、外国人排斥運動を繰り広げていた民族主義的グループ。)(21日UN、AE)
(ハ)20日、中央選挙管理委員会は、国家大会議議員総選挙に参加する12政党と1連合を正式に登録した。(21日各紙)
(ニ)ウランバートル市民の飲料水の主な水源であるトーラ川の保護のため、トーラ川流域の樹木の伐採を禁止する政令が、シーレグダムバ自然環境大臣及びビレグト・ウランバートル市長らによって発表された。同政令は2010年までの2年間有効となる。(22日UN、TR)
(ホ)保健省の報告によると、手足口病の感染者は今月23日時点で1427名となり、ウランバートル市全区及び18の県で感染が確認された。国家非常事態委員会は、子供が集う会合やイベントを規制する他、対応策をとるよう保健省に指示した。また、政府予備費から対策費として8億8340万トグログを支出することが、臨時閣議で決定された。(24日UN)
(ヘ)行政監察庁が中心となって行った全国規模のアルコール飲料製造工場の調査の結果、ウランバートル市内の12カ所のアルコール飲料製造工場が操業停止を命じられた。(22日AE、US、TR)
2.外交
(1)一般
(イ)20日、オヨーン外務大臣及びルンデージャンツァン国家大会議議長は、余洪耀・在モンゴル中国特命全権大使を訪ね、モンゴル国政府を代表して四川省大地震の被災者に対し見舞いの意を表した。(21日TR、MM)
(ロ)21日、セルジュコフ・ロシア連邦国防大臣及びマカロフ・ロシア連邦国防次官がモンゴルを公式訪問し、バトホヤグ国防大臣との会談で今後の国防分野における課題について意見交換を行った。(22日US)
(2)要人往来
特段の動き無し。
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン】