季節性インフルエンザとワクチン接種
日本国内の医療機関でもインフルエンザワクチン接種が開始されました。
今年のワクチンには、いわゆる新型インフルエンザウイルス用のワクチンも含まれており、わが国の厚生労働省は、1歳以上の全ての方に接種を勧めています。
モンゴルに滞在されている方々も、11月から遅くとも12月中に接種なさることをお勧めします。
○ 現在モンゴル国内で、季節性インフルエンザワクチンの接種が可能であることが確認できているのは、SOSメディカモンゴリアのクリニックです。ただし、メンバー制のクリニックであり、準備されるワクチンの量に制限があるとのことですので、直接クリニックに問い合わせ願います(電話 11-464325)。
またモンゴル国立感染症病院(センター)でも、新型インフルエンザのみのワクチンが接種可能とのことですので、そちらを希望される方はセンターにお問い合わせ下さい(電話 11-450491)。
○ 今シーズンについては、十分にワクチンが生産され、モンゴル国内、もしくは日本国内での接種が可能な状況ですので、各自でワクチン接種の準備をなされますようお願い申し上げます。
○ インフルエンザについての解説
1.インフルエンザの問題点
インフルエンザは他のかぜにくらべて極めて危険な病気です。特に、65歳以上の高齢者、乳幼児、妊婦、さらに年齢を問わず呼吸器系や循環器系に慢性疾患を持つ患者、糖尿病などの慢性代謝性疾患、慢性腎不全など腎機能異常の患者、免疫低下状態の患者などは、インフルエンザに罹患すると、入院を必要とする肺炎・気管支炎などの重篤な合併症が発生し、死亡する危険性が数倍から数百倍にも増加すると言われています
2.インフルエンザの予防
人ごみを避け、患者との接触を減らし、寒気をさけて十分な栄養と休息をとって体力を保ち、うがいや手洗いを励行するなどの一般的な予防方法は、消極的ですが効果はあり、是非とも心掛けるべきことです。インフルエンザ予防対策の中心は予防接種であるということが世界的に広く受け入れられています。インフルエンザワクチンには、罹患した場合に、肺炎等の重篤な合併症の出現や、入院、死亡などの危険性を軽減する効果が世界的にも広く認められています。世界保健機構(WHO)をはじめ世界各国がハイリスク群に対してワクチン接種を積極的に薦めている理由もここにあります。
3.インフルエンザワクチンの効果
現行のインフルエンザワクチンは、ウイルスに対する感染防御や発症阻止の効果は完全ではありません。従ってワクチンを接種してもインフルエンザに罹患する場合があります。インフルエンザワクチンの効果については、「ワクチン接種を受けずに発症した人のうち、接種を受けていれば発症を免れた」割合が有効率として表されます。米国では、65歳未満の健常者では、インフルエンザの発症を70~90%減らすことができるとされています。
4.インフルエンザワクチンの問題点
(1)ワクチン接種を受けてもインフルエンザに罹患する場合があり、集団接種を行っても社会全体のインフルエンザ流行を完全に阻止することは難しいと考えられます。
(2)流行ウイルスとワクチンのウイルスが大きく違った場合、ワクチンの効果は期待できないことになりますが、「ウイルスとワクチンが不一致であるのでワクチンが効かなかった」という事態はほとんど起こっていません。
(3)免疫は時間とともに低下し、インフルエンザワクチンによる持続期間は3カ月程度と短いので、インフルエンザシーズンの1カ月前くらいである11月頃を中心に接種することが薦められています。
(4)ワクチンの接種により、約100万人に一人の割合で重篤な神経系の健康障害が生じ、後遺症を残す例も報告されています。また、インフルエンザワクチンには微量ながら卵由来の成分が残存していますので、卵アレルギーの人はワクチン接種を避けるか、注意して接種する必要があります。
以上は厚生労働省のHPからの抜粋です。
詳細については、下記URLの厚労省ウェブサイトをご覧下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/info_qa22.html
ご質問がありましたら、御遠慮なく医務官(電話 11-320777)までお問い合わせ下さい。