夏の病気について(その1): ダニとハエ
- ダニ(モンゴル語で“ハチグ”)
ダニは動物やヒトの血を吸って成長します。早春から晩秋までの,森林・草原での野外活動や家畜との接触によりダニに曝露します。ウランバートル近郊の郊外でも,ダニによる病気の発生があります。ダニは1cm以下と非常に小さいため,皮膚に付いて血を吸われたまま,数日間気づかずに過ごされてしまいます。ダニの中で病気を持っているのは1%以下ですが,ダニ媒介性脳炎(欧州~シベリア一帯やモンゴル北部(フブスグル、セレンゲ、トゥブ、ヘンティー、オルホン、ボルガン各県で確認されている)の森林や草原で発生)やライム病(モンゴルを含む世界中で発生)などの重い病気の原因になることがあります。皮膚に食い付いているダニを取ろうとして,ダニのおなかの部分を強くつまむと,ウイルスや細菌を自分の体内に注入してしまう危険性があります。ダニに気づいたときは,自分で取らず,病院でダニを除去してもらう必要があります。衣服に付いているうちに除去できるよう,外から帰ったら全身をチェックしましょう。袖や裾が締まった長袖シャツとズボンを着ること,虫除けの使用も効果があります。ダニ媒介性脳炎にはワクチンがあります。ライム病が疑われる場合には,直ちに抗生物質による治療が必要ですので,モンゴル国立感染症センター(450491代表)にご相談下さい。 - ハエ:蝿蛆症(ようそしょう)
ハエがヒトの眼球などに,瞬時に蛆(ウジ)を産み付けることによる病気で,郊外で発生することが多いようです。放っておくと皮膚やまぶたの裏側,眼球などに入り込むことがあり,自分では取り残すことがあるので,眼科医に蛆を除去してもらう必要があります。
日本の厚生労働省・検疫所からの情報 2012年05月18日更新
“ダニが媒介する病気に注意しましょう”
http://www.forth.go.jp/topics/2012/05181519.html
詳しい病状については(日本の)国立感染症研究所のHPなどをご覧下さい。