モンゴル政務週間動向(2008.05.26-06.01)
1.内政
(1)大統領
(イ)28日、エンフバヤル大統領は、ムンフトヤー国家大会議議員(民主党)、アマルサイハン鉱物資源・石油管理庁部長、ガントゥムル規格・度量衡センター長及び他2名に北極星勲章を授与した。(29日MM、AE)
(ロ)30日、エンフバヤル大統領は、多くの子供を産み育てた女性計10名に、その功績を称え、「多産の母1級勲章」及び「多産の母2級勲章」を授与した。(31日MM、2日AE)
(2)首相、内閣
(イ)26日~27日、バヤル首相及びナランフー産業・通商大臣はドルノド県のマルダイ・ウラン鉱床の視察の後、ロシア連邦チタ州にあるアルゴニィ鉱山・化学コンビナートを視察し、キリエンコ・ロスアトム社社長(ロシア企業)らと会談した。(27日ZS、30日MM、内閣府プレス)
(3)定例閣議(28日開催)
(イ)インドから無償援助物資として送られた米及び砂糖を、貧困層に属する世帯、福祉施設、小児病院等に無償で配給することが決定された。配給の際の輸送経費等は国が負担することとなった。(29日MM、AE)
(ロ)モンゴル文字を後世に伝えるための教育、研究、広報活動を新しい段階に引き上げる内容が盛り込まれた「モンゴル文字復興国家プログラム」の改正案が決議された。同プログラムは1995年より実施されており、基本的な実施項目は実現されたとして、首相令による作業部会が改正案を策定していた。(29日MM、AE)
(ハ)29日、臨時閣議が開催され、モンゴル東部で発生した吹雪による被災地域への緊急救援費として3億1300万トグログを支出することが決定された。また、同災害による死亡者の遺族に対し、1世帯につき100万トグログの弔慰金が支給されることとなった。(30日MM)
(4)国家大会議
(イ)会派、委員会の動き
特段の動きなし。
(ロ)常任委員会
(a)27日、予算常任委員会が開催され、農業支援政策の一貫として政府から提案された「関税改正法案」及び「付加価値税改正法案」が支持され、国家大会議本会議に提出された。これらの改正法案には、トラクター、耕耘機等の農作業機具の輸入関税及び付加価値税を免除することが定められている。(28日AE)
(b)27日、予算常任委員会で、鉱物資源による利益を国民に分配・還元するための「祖国の恩恵基金」計画について協議されたが意見の一致を見ず、協議は延期されることとなった。(28日AE、MM)
(c)27日、経済常任委員会が開催され、鉱物資源法改正法案について協議された。政府から提出された同改正法案には、金の超過利潤税を廃止する提案が盛り込まれており、同経済常任委員会の支持を得て、国家大会議本会議に提出された。(28日TR)
(ハ)本会議
(a)27日、「企業活動に関する特別許可法改正法案」の第1回審議が行われ、常任委員会による提出案に従って可決された。(28日US)
(b)27日、「就学前教育及び初等中等教育法改正法案」及び「労働法改正法案」の最終審議が行われ、同改正法案がそれぞれ可決された。(28日AE)
(c)30日、「肉及びカシミア原毛の買付価格安定のための方策決議案」が決議された。同決議案には、カシミア原毛の買付価格が1キロ当たり3万トグログ以下になった場合、政府がモンゴル国開発基金で、品質や等級に応じ1キロ当たり3万~3万2千トグログでカシミア原毛を買い取り、再び市場価格が回復した際には、政府が買い取ったカシミア原毛を売却して同基金に補填すること等が定められている。(2日AE)
(d)30日、鉱物資源法改正法案について審議されたが、採決に至らず。作業部会及び経済常任委員会に差し戻され、再審議されることとなった。(2日ZM、UN)
(5)その他
(イ)26日から27日にかけてモンゴル東部で発生した強風と吹雪により、ヘンティー、スフバータル、ドルノド県などを中心に33名の住民が死亡。29名が行方不明となった。(29日MM)
(ロ)28日、市民運動党や無所属の立候補者たちは、中央選挙管理委員会が少数政党や無所属からの立候補者に対して不公平な活動を行っているとして、中央選挙管理委員会の解散を求めたデモを行った。(29日US)
(ハ)28日、鉱物資源・石油管理庁の決定により、「モンゴル・ガザル」社が保有する5つの鉱物資源採掘に係る特別ライセンスが無効となった。(31日US)
(ニ)30日、人民革命党は同党代表者会議を開催し、6月29日に行われる国家大会議総選挙の立候補者を決定した。現職の有力議員のうち、プレブドルジ国家大会議議員、オチルフー国家大会議議員らは選出されず。(2日各紙)
2.外交
(1)一般
(イ)26~27日、モンゴルと韓国の「北東アジア協会」の主催によるモンゴル・韓国平和経済会議がウランバートルで開催され、両国の経済協力について意見交換が行われた。(26日MM)
(ロ)30日、米国ミレニアム・チャレンジ・アカウント事業の開始式が行われ、エンフバヤル大統領、フレルバータル燃料・エネルギー大臣、ミントン駐モンゴル米国大使らが参列した。(2日MM)
(ハ)30日、余洪耀・在モンゴル中国大使は、26日から27日にかけてモンゴル東部で発生した強風と吹雪による被害に対する500万トグログの義捐金を、中国大使館を代表し、オヨーン外務大臣に手交した。(2日AE)
(2)要人往来
特段の動き無し。
【AE=日刊紙アルディン・エルフ、US=日刊紙ウドゥリーン・ソニン、UN=日刊紙ウヌードゥル、ZM=日刊紙ゾーニー・メデー、MM=日刊紙モンゴリーン・メデー、TR=人民革命党中央機関紙ウネン】